FXレポート

「賃金と物価の好循環」 文言が消失

-前営業日サマリー-
 ドル円は、142.97円でオープン。東京市場では、日銀による追加利上げ観測が後退したことで、円安・ドル高へと動きが強まり、ドル円は144円台を回復。ロンドン市場やNY市場でも円安の流れは止まらずさらに1円程度円が減価し、ドル円は145円台の節目を突破。ただ、145円台後半では上値の重さが意識され、145.36円で取引を終えました。

-「賃金と物価の好循環」 文言が消失-
 本日のイベントは、豪小売売上高、欧消費者物価指数、米雇用統計が予定されており、とりわけNY時間の雇用統計の結果には注目が集まります。
 昨日の日銀金融政策決定会合にて、日銀は政策金利を据え置きました。ただ、経済物価情勢の展望では中核とされる基本的見解から「賃金と物価の好循環」という文言が消失。トランプ関税による不確実性の高まりが影響しているのか、今まで植田日銀総裁が繰り返してきた文言なだけにインパクトがありました。また、25、26年度の実質GDPと消費者物価指数の見通しも前回1月時点から下方修正され、2%の物価安定目標の実現時期は従来よりも1年程度先送りされました。市場では追加利上げ観測が後退したことに伴い、円安地合いが強まり、足元のドル円は145円台の節目を回復するに至りました。トランプ政権による関税政策が世界経済に打撃を与える中、今後の経済がどういった方向に進んでいくのか、ヘッドラインに注目しながら見極めていく必要があります。
 本日は米雇用統計が予定されています。今週、これまでに発表された労働指標が総じて弱い内容だったことから、雇用統計の結果もこれにつられると思われますが、想定よりもさらに中身が弱まれば利下げ支持のFOMCメンバーも増加するでしょう。実際ウォラーFRB理事は「労働市場悪化なら利下げを支持すると発言」しており、今回の結果が米国の政策見通しに与える影響は大きいと言えそうです。

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