FXレポート

ドル円は下落トレンドへと転換 CPIでの動意は一時的か

-前日サマリー-
 米シリコンバレー銀行(SVB)やNY州を基盤とするシグネチャー銀行の破綻を受け、ドル円は大きく窓を開けて133.61円でオープン。米財務省の預金者保護措置やFRBによる緊急融資枠の新設などの迅速な対応が好感され、135.04円まで買い戻されました。しかし次回FOMCでの利上げ停止観測が台頭するとドル円は132.28円まで再度下落。その後は緩やかな上昇を見せましたが上値は重く、133.20円で取引を終えました。

-ドル円は下落トレンドへと転換 CPIでの動意は一時的か -
 本日は英失業率と米消費者物価指数(CPI)の発表が予定されています。
 ドル円を取り巻く外部環境がここ数日で大きく変化しています。先週に行われたパウエルFRB議長の議会証言では、ターミナル・レートの上昇と利上げペースの加速を示唆したことで今月のFOMCにおける利上げ幅については0.5%が有力視され、ドル円の上昇に弾みをつけました。しかしその翌日にパウエル議長が、まだ利上げについて何も決定されていないとの慎重な姿勢を示すとドル円の上昇が一服。今週の経済指標データを見極めたいとの発言を受け、市場の関心は本日発表のCPIへと移りました。ところが先週末の米失業率の上昇やSVB株式の大幅下落をきっかけに円高へとトレンドが変化。たった数日でSVBが破綻し、他の銀行にもそれが波及したことで急激にドル安が進行する事態となりました。CPI発表直後にはAI主導で大きな値動きとなることも想定されますが、市場では利上げ停止観測が浮上しているため、ドル円は上昇トレンドを形成することが難しくなりました。SVB破綻を契機にハイペースで進めてきた金融引き締めの副作用が顕在化しており、利上げペースが鈍化すればインフレの再燃、本格的なリセッションへの突入が意識され、より一層ドル円の上値が重たくなる可能性も考えられます。そのためFOMCまではイベントやヘッドラインによって値動きが大きく左右される神経質な展開が続きそうです。

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