FXレポート

米インフレ鈍化と弱い消費、年内利下げ織り込みは進むか

前営業日サマリー-
 ドル円は128.08円でオープン。日銀金融政策決定会合では一部で予想されていたYCC修正は見送り、また共通担保資金供給オペの拡充で金融緩和職を強めたことで131.57円まで上昇しました。その後のロンドン市場では円が買い戻される流れが続き、米生産者物価指数にて予想以上にインフレの鈍化が確認されたことからドル安の流れも重なり、ドル円は127.56円まで下落しました。NY市場では、ドル売りが一服、ブラード・セントルイス連銀総裁やメスター・クリープランド連銀総裁らのタカ派寄りな発言も意識され、ドル円は128.95円まで上昇したのち、128.87円で取引を終えました。

-米インフレ鈍化と弱い消費、年内利下げ織り込みは進むか-
 本日のイベントは、豪雇用統計、欧ラガルドECB総裁の発言、トルコ政策金利、欧ECB理事会議事要旨の公表、米新規失業保険申請件数、米住宅着工件数、米フィラデルフィア連銀景況指数、米ブレイナードFRB副議長の発言が予定されています。
 昨日の日銀金融政策決定会合では、一部でYCCを再度修正するとの思惑があった中で、長期金利上限を現状維持としたことで円が売られ、ドル円は一時131.57円付近まで上昇しました。4月に黒田日銀総裁が任期満了を迎え、この春から日銀は新体制に移行するスケジュールとなっています。金融緩和修正の思惑は残り続けると思われるため、引き続き日銀の動向に注目ではあるものの、一旦重要イベントを通過したことから、目先は米経済指標・金利動向に注目したいです。
 12月FOMCで公表されたドットチャートではターミナルレートは5.00%~5.25%の見通しが示され、後日公表されたFOMC議事要旨でも「2023年内のFF金利引き下げが適切になると予想する当局者はいなかった」との文言がありました。しかし、昨日の米生産者物価指数や米小売売上高を含め、直近の指標からはインフレの鈍化と景気の弱さが確認されており、市場が織り込むターミナルレートは5.00%に届かず、2023年内の利下げも織り込まれ続けています(Fed Watchより)。引き続きインフレの鈍化や消費の弱さが確認できた場合は、一層織り込みが進みドル安の展開も想定されます。本日は発表予定の米経済指標やブレイナードFRB副議長の発言に注目が集まりそうです。

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