リセッション懸念に要警戒
-前営業日サマリー-
ドル円は134.26円でオープン。東京市場では、序盤こそ底堅く推移したものの、正午からはドル売り・円買いが急加速しました。ドル円は134円を割り込みストップロスを誘発したことなどから一時132.47円まで下値を広げたほか、クロス円にも円買いが波及し軒並み下落となりました。ロンドン市場では、ドル売りの流れが一服、時間外の米10年債利回りの上昇も支えに買い戻されると、ドル円は134円台を回復しました。NY市場では、米国のPCEデフレーターが予想を上回る結果を受けて134.59円まで上昇、東京時間の高値水準を回復しました。しかし、朝方につけた高値134.67円を目前に失速すると133円前半まで押し戻され、引けにかけては方向感を乏しく133.21円で取引を終えました。
-リセッション懸念に要警戒-
本日のイベントは、中財新製造業PMI、香港GDP、独小売売上高、欧失業率、米ISM製造業景況指数が予定されているほか、オーストラリア・カナダ・スイスが祝日休場となります。特に注目すべきは、米ISM製造業景況指数です。
先月28日に発表された米四半期GDP(4-6月期)では前期比-0.9%と2期連続のマイナス成長となったことで、リセッション懸念が強まりつつあります。全米経済研究所(NBER)の発表を確認すると、まだリセッションを宣言していないものの、今後米国株式が大きく売られるなどの兆しが見えるか否かを注視していく局面であり、今後マーケットでリセッション入りとして受け止められた場合は、リスク回避の動きが加速すると想定されます。
このような状況の中、本日のISM製造業景況指数のコンセンサスは52.0で、前回からはやや低下の予想です。仮に景況悪化の節目となる50を割り込んだ場合は、過熱するリセッション懸念も相まって、ドル売り圧力が強まると想定されます。また、足元のドル円は先月27日のFOMC後からポジション調整が進み、ドル売り・円買いの地合いとなる中で、この流れが一段強まり継続する展開は考慮しておきたいです。対して、予想を上回る結果となった場合はドル買いのサポート要因となるほか、ドル円については、市場のリスクセンチメントの改善や押し目買いを誘発するポジティブなシナリオも想定されるため、両シナリオを念頭に指標結果を注視して取引に挑みたいです。