7月突入、近づく米FOMCに向けた思惑とシナリオは
-前日サマリー-
東京市場のドル円は136.55円でスタート。序盤に136.80円台まで上昇するも、午後には日経平均株価が下げ幅を広げる中でリスク警戒感が強まり、136円前半まで下押ししました。欧州市場でも、欧州株安や米長期金利の低下などリスクオフの動きに押される展開となり一時136円割れ、米PCEが予想下振れとなるとドル売りが先行しました。NY市場では、引き続き米長期金利が低下幅を拡大したほか、米株相場の下落を背景にリスクオフが加速、円買い・ドル売りに押されました。その後は月末・期末のポジション調整的な動きも重しに135.55円まで日通し安値を更新、やや戻して135.76円で取引を終えました。
-7月突入、近づく米FOMCに向けた思惑とシナリオは-
本日のイベントは、日東京消費者物価指数/第2四半期日銀短観、中財新製造業PMI、欧消費者物価指数、米ISM製造業景況指数が予定されるほか、カナダ・香港が祝日休場、月初・四半期初めとなります。
足元では米国の景気後退を示唆する指標結果が増えている、との指摘も聞かれる中、米長期金利は6月FOMC前の10日以来ぶりに心理的節目の3%を一時割り込むなど、市場におけるリセッション懸念の高まりが見受けられます。ただ、昨日の米PCEデフレーターは事前予想を下回る結果ながら、市場は7月FOMCでの0.75%利上げを大方織り込んでいる状況であるほか、パウエル議長は「景気を減速させるリスクはあるが、物価の安定を回復できないことの方がより大きな過ち」と直近発言するなど、積極的な引き締めスタンスを強調しています。そのため、一先ず7月FOMCまでは日米金利差拡大を意識した動きが引き続きドル円の上昇を支えるとみており、本日発表の米ISM製造業景況指数も大きく予想を下振れなければ下値は限定的といえそうです。一方で、リスクセンチメントの変化から円売りの巻き戻し局面となれば、スピード感をもって比較的大きく変動する可能性は考慮したく、株式や債券相場の動向を含めマーケット全体を注視していきたいです。