FXレポート

英中銀(BOE)は利上げ予想、欧州中銀(ECB)無難通過予想

-前日サマリー-
 東京市場のドル円は114.68円でスタート、目立った材料がなく114.65円から114.80円のレンジ相場となりました。欧州市場では、欧州中銀(ECB)と英中銀(BOE)の金融政策会合を明日に控えて欧州通貨高の流れ、また欧消費者物価指数が前年比+5.1%と予想(+4.4%)を上回りドル売り欧州通貨買いの流れが加速、ドル売り圧力からドル円は114.21円まで下落しました。ニューヨーク市場では、ADP雇用統計が-30.1万人と市場予想(+20.7万人)を大きく下回りドル円は114.16円まで一時下落、その後は自律反発の動きになったものの上値は限定的で114.43円で取引を終えました。

-英中銀(BOE)は利上げ予想、欧州中銀(ECB)無難通過予想-
 本日のイベントは、豪貿易収支、トルコ消費者物価指数、英中銀(BOE)政策金利、ベイリーBOE総裁発言、欧州中銀(ECB)政策金利、ラガルドECB総裁発言、米新規失業保険申請件数、米ISMサービス業景況指数が予定されています。特に注目すべきは、英中銀(BOE)政策金利と欧州中銀(ECB)政策金利になります。
 英中銀(BOE)政策金利の市場コンセンサスは「0.25%→0.5%の利上げ」で2会合連続利上げ(2004年ぶり)となっています。しかし、市場予想分布を確認すると「利上げ」と「据え置き」予想が「5:3」程度に割れています。英中銀(BOE)が年間を通して金融引締めを継続するとの見方が大勢な点に変わりはないですが、今回会合でどちらの決定を下したとしてもサプライズに受け止める市場参加者が多く、21時の発表時はポンドが大きく動く可能性が高いと考えられます。
 欧州中銀(ECB)政策金利の市場コンセンサスは「0%の据え置き」となっています。前回会合でアナウンスされたようにECBは、今年3月にパンデミック緊急購入プログラム(PEPP・直近では月700億ユーロ規模の量的緩和)を終了して従来の資産購入プログラム(APP・直近では月200億ユーロ規模の量的緩和)を月400億ユーロ規模へ拡大する方針を示しています。今回会合では金融政策の大きな変化はないと考えられていますが、将来の利上げとAPP終了時期、またバランスシート縮小について、どの程度議論されたのかを、21時45分公表予定のECB理事会声明と22時半からのラガルドECB総裁記者会見から探る流れとなりそうです。
 今週はユーロ高・ポンド高が継続していたため、今回のイベントでハト派な内容となった場合は両通貨とも大きく売られる地合いとなりそうです。市場が期待しているレベルの金融正常化の道筋を示すのか、ネガティブサプライズとなるのか注目して、本日も取引に挑みたいです。

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