年末に振り返る為替市場「ドル安の一年」
-前営業日サマリー‐
ドル円は156.03円でオープン。東京市場では、朝方に155.93円付近まで下押ししたものの前日安値が意識されて買い戻され、仲値にかけて156.32円まで上昇するなど底堅く推移しました。もっとも、午後は手掛かり材料に乏しい中で上値の重さが意識され、対人民元でのドル安も重しとなって戻りを試せず、欧州入り前には155.92円まで押し戻されました。ロンドン市場では、年末を控えた持ち高調整で方向感に欠ける中、欧州序盤に売りが先行し、19時30分過ぎにはストップロスを巻き込みながら155.75円まで下落。もっとも、その後は米10年債利回りが4.14%前後まで上昇したことを手掛かりにドルの買い戻しが入り、156.41円で取引を終えました。
-年末に振り返る為替市場「ドル安の一年」-
本日のイベントは、中PMI、米新規失業保険申請件数が控えています。
年末の為替市場は参加者が少なく、大きなトレンドは出にくい状況が続いています。ただ、12/30までの流れを振り返ると、今年は「ドル安の一年」だったといえます。ドル指数は足元で98近辺と落ち着いていますが、2025年を通して見ると約10%下落し、8年ぶりの大幅安となりました。背景にはFRBの利下げ観測や米金利低下、財政不安などがあり、ドルを積極的に買いにくい地合いが続いています。ユーロやポンドは対ドルで堅調に推移し、豪ドルなど資源国通貨にもドル安が波及しました。ドル円は156円前後で推移していますが、日本の金利がじわりと上がっている点は円の支えになっています。年明けは市場参加者が戻る一方、値動きが荒くなる場面も想定されます。ポジションリスクを管理しながら取引に臨みたいです。