植田日銀総裁 ハト派な会見で円は減価
-前営業日サマリー‐
ドル円は155.54円でオープン、東京市場では、日銀金融政策決定会合にて予想通りに0.25%の利上げが決定。材料出尽くし感から円売りが先行しました。その後の植田日銀総裁の記者会見にて中立金利などについて踏み込んだ発言がみられなかったことでさらに円売りが加速。ロンドン市場では大きくドル円も上昇し157円台を付けました。NY市場では片山財務大臣の口先介入で一時下押す場面は見られるも、結果的には押し目となりじりじりとドル円も上昇。157.73円で取引を終えました。
-植田日銀総裁 ハト派な会見で円は減価-
本日のイベントは、英GDP(改定値)が控えますが、他に注目度の高い経済指標は予定されていません。
日銀は政策金利を市場予想通りの0.75%に決定。植田日銀総裁の記者会見では今の金利水準がまだ金融環境を引き締めていないとの認識を示した一方で、中立金利については「推計値の下限にはまだ少し距離がある」との発言に留め、利上げ路線を続ける方向性は変わらないものの、利上げ見通しに関して踏み込んだ発言は控えました。これを受けて為替相場では強烈な円売りとなり、ドル円も157円台へ、ポンド円は211円を目指す勢いを見せています。決定会合後のNY時間では片山財務大臣の口先介入によってやや下がる場面は見せたものの、その効果は限定的。利上げ・口先介入による円の増価が期待できないとなれば、やはり実弾介入が意識されます。160円に近づいたタイミングや年末年始の市場参加者が減少しているタイミングなどいくつか意識される場面はありますが、今後に関してはこの点注視しながら介入動向を強く警戒しておく必要がありそうです。