審判の日 混戦を極める大統領選
-前営業日サマリー-
ドル円は152.09円でオープン。東京市場では、株高などを支えにドル円の値動きはしっかりとしたものとなったものの、米大統領選を控えて値幅は限定的でした。ロンドン市場ではハリス氏とトランプ氏の支持率がほぼ拮抗しているとの世論調査からこれまでのトランプトレードの巻き戻しとなり、ドル円は152円台前半まで下押しました。NY市場では米経済指標の結果を受けてドル買い。ただその動きも長くは続かずに151.59円で取引を終えました。
-審判の日 混戦を極める大統領選-
本日のイベントは、日BOJ議事要旨公表、欧ラガルドECB総裁発言、米週間原油在庫が控えており、その他に注目度の高い経済指標は予定されていません。
大統領選の投開票が昨夜開始され、市場では世界をリードするリーダーが誰になるのか注目を集めています。世論調査ではカマラ・ハリス副大統領とドナルド・トランプ前大統領の支持率は拮抗しており、異例の接戦状態で審判の日を迎えました。各候補の政策シナリオとしては、トランプ氏の場合は関税引き上げ・移民規制強化などが挙げられ、人手不足の深刻化やインフレ圧力の上昇によって結果として米長期金利の上昇とともにドル買いが加速しそうです。その一方、ハリス氏はバイデン政権の政策を基本的には継続すると考えられており、同氏の当選は足元強まっているトランプトレードの巻き戻しによって、市場へ大きなインパクトを与えるでしょう。もう一つの相場シナリオとして考えられるのは、トランプ氏が仮に大統領再選を果たした場合の材料出尽くしによるドル安です。直近の相場では結果判明前の調整的側面からすでに巻き戻しの動きがみられますが、トランプトレードによってたまったエネルギーが結果判明後に一時的に加速する可能性は否めません。どのシナリオだとしてもボラタイルな相場展開となることが想定されるため、選挙動向にはしばらく注視しておく必要があります。世界秩序を左右する米国の選択を見守っていきましょう。