今週メイン米CPIに注目
-前営業日サマリ-
ドル円は156.17円でオープン。東京市場では、円安主導の中で午前には前日高値抜け、午後には156円ミドルまで上昇しました。ロンドン市場では、やや上値の重たさが目立ち156円前半まで押し込まれる場面はあるも、終始底堅さを保って推移しました。また、ピル英MPC委員から「夏に利下げを検討する公算大」とのハト派発言が伝わったことで、一時ポンド安に傾きました。NY市場では、序盤に米生産者物価指数(PPI)が発表、前月比では総合・コア共に予想上振れとなり、直後156.77円付近まで高値更新も、前回値が総じて下方修正され強弱入り混じったことで上値は限定的、156円前半まで振幅の後もみ合いました。その後は、パウエルFRB議長の講演にて、「次の行動が利上げになる可能性低い、政策金利を現状維持する可能性高い」 などの発言が伝わるも、目新しい内容なく為替は流れそのまま、156.42円で取引を終えました。
-今週メイン米CPIに注目-
本日のイベントは、豪四半期賃金指数、欧四半期GDP(改定値)、米消費者物価指数(CPI)、小売売上高、NY連銀製造業景気指数、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁発言、ボウマンFRB理事発言が予定されています。
いよいよ今週メインの米CPI発表を迎えます。現時点の事前予想では、前年比でCPI総合は+3.4%(前回:+3.5%)、CPIコアは+3.6%(前回:+3.8%)と、前月発表からインフレ減速が見込まれています。予想通りであれば、直近で物価上昇圧力の粘り強さが示されていた分、FRBにとっては非常にポジティブなデータとなるでしょう。為替インパクトとしては、毎度出たとこ勝負で、予想上振れならドル買い・下振れならドル売りで素直に反応しそうです。ただ、足元では事前予想や前回値を超える強めの米インフレデータが並び、昨日の米生産者物価指数(PPI)も前月比で予想を上回っている点などから、本日CPIも上振れ・ドル買いの展開は考慮しておきたいです。
またドル高に振れた場合のシナリオとしては、足元のドル円は一段の上値追いへ、為替介入に対して「催促相場」の色合いを強めそうですが一方で、イエレン米財務長官からの「牽制」もあり、本邦当局は対応の難しさもあるでしょう。したがって、神経質な展開ながらもアップサイドはスムーズな可能性もありそうなため、値幅が取れる局面を逃さないよう準備しつつ、米利下げ見通しとドルの強弱、ドル円の方向感を左右する重要局面に臨みたいです。