日銀金融政策決定会合2日目 政策変更も影響は限定的か
-先週サマリー-
ドル円は、149.03円でオープン。東京市場では、明日発表の日銀金融政策決定会合で政策正常化に踏み切るとの内容が情報が出尽くしと判断されたのか、円売り優勢の地合い。ロンドン市場では、明日の決定を見極めたい向きから全般小動きとなり、ドル円は149円台前半でのレンジ相場となりました。NY市場でも大きな動意につながることはなく、そのまま149.13円で取引を終えました。
-日銀金融政策決定会合2日目 政策変更も影響は限定的か-
本日のイベントは、日BOJ政策金利、豪RBA政策金利、日植田日銀総裁発言、独ZEW景況感調査、加消費者物価指数、米住宅着工件数が予定されています。
今後相場の方向性を決めうる重要イベントとして本日は日銀金融政策決定会合の結果が公表予定となっていますが、相場への影響は限定的に終わるかもしれません。連合が発表した24年度の春闘(第一回回答)の集計結果は賃上げ率が5.28%と昨年の3.58%を大幅に上振れ、市場では、「賃金と物価の好循環」達成の環境が整いつつあるとの考えから、本日のマイナス金利解除がほぼ織り込まれている状況となっています。材料出尽くし感から日本株とともに為替相場でも円売りが進んでいます。日銀は政策正常化に踏み込んだとしてもこの先「緩和的な政策を維持」していく可能性が高いため、観測報道の内容が決定したとしても相場への影響は限定的となりそうです。ただ、午後に控えている植田日銀総裁の発言で今後の政策スタンスに対して「タカ派」な意見が強まった場合にはその限りではなく、想定に反して円買いが急速に強まるシナリオも考えられます。大きなサプライズもなくイベント通過となることをふんではいるものの、長らく続いたマイナス金利の解除は歴史的にも大きな転換点で重要イベントであることに変わりないため、相場が急変する可能性も考慮したうえ警戒しておきたいです。