本邦CPIに注目 「賃金と物価の好循環」はまだ遠いか
-前営業日サマリー-
ドル円は148.10円でオープン。東京市場では、前日のドル高に対する反動や米長期金利が小幅に低下したことを受けてドル安傾向となり、148円を割れる展開となりました。ロンドン市場では、序盤に本日安値を147.66円付近まで広げたものの、その後はドル安の流れが一服し、一転して147円台後半までの上昇となりました。NY市場では、米経済指標の結果を受けてドル買いが強まり、一時148.30円まで上値を伸ばしたものの、前日高値の148.52円がレジスタンスとして意識されると動きが失速、148.08円で取引を終えました。
-本邦CPIに注目 「賃金と物価の好循環」はまだ遠いか-
本日のイベントは、日全国消費者物価指数、英小売売上高、欧ラガルドECB総裁発言、加小売売上高、米ミシガン大消費者信頼感指数、米中古住宅販売件数、米バーFRB副議長発言、米サンフランシスコ連銀総裁発言と多くのイベントが予定されており、とりわけ東京時間朝に控える本邦CPIとNY時間のミシガン大消費者信頼感指数の結果には注目となりそうです。
本邦CPIの予想は前年同月比で2.6%(前回値:2.8%)、生鮮食品を除くコア指数は2.3%(前回値:2.5%)と両指数ともに前回値から減速する予想となっています。仮に市場予想を下回る内容となった場合は今年4月のマイナス金利解除期待が後退し、円は売りが強まる可能性が高いといえます。先週10日にも公表されたた毎月勤労統計調査の結果で実質賃金が前年同月比3.0%減少したことを踏まえると日銀が目指している「賃金と物価の好循環」にはまだ遠いと判断されるからです。
また、NY時間に控えるミシガン大消費者信頼感指数の結果にも注目です。足元で想定に反して強まっている米経済指標の結果を受けて、今年3月の米利下げ確率は5割程度まで下がっています。本日公表される同指標が想定を上回れば早期利下げ観測を後退させて、ドル買いの強まる展開が考えられ、150円の大台も視野に入ります。本日の日米経済イベントの結果次第では相場に大きな流れが生まれる可能性もあるとみて中身の確認をしていきたいです。