FXレポート

日銀は粘り強く金融緩和 政策姿勢変わらず

-前営業日サマリー-
 ドル円は142.78円でオープン。東京市場では、日銀会合にて市場予想通り、金融政策の現状維持を決定。一部でマイナス金利解除期待の思惑が広がっていただけにドル円はこの結果を円安材料と受け止めて143円台後半まで上値を伸ばしました。ロンドン市場では、植田日銀総裁の「必要であれば躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」との発言から円安が加速し、ドル円はさらに上値を伸ばして144円台後半までの上昇を見せました。ただ、オプション設定が観測されている145円台では上値が重たくなり、一転して動きは失速。NY市場ではドル安傾向の相場展開の中で143.82円まで値を戻して取引を終えました。

-日銀は粘り強く金融緩和 政策姿勢変わらず-
 本日のイベントは、米シカゴ連銀総裁発言、英消費者物価指数、英生産者物価指数、英小売物価指数、米中古住宅販売件数、米消費者信頼感指数、米週間原油在庫が予定されています。
 19日に開かれた金融政策決定会合にて、日銀は大規模な金融緩和策の現状維持を決定。植田日銀総裁は記者会見にて、物価2%目標の持続的な実現に向けて「確度は少しずつ高まっているが、賃金と物価の好循環をなお見極める必要がある」と述べ、マイナス金利政策の解除など緩和の出口を巡っては慎重に判断する姿勢を示しました。今回の声明や会見では総じて前回会合を踏襲した内容のものとなり、市場の一部で広がっていたマイナス金利解除期待には背く結果となりました。来年の春闘や賃上げがサービス価格上昇に寄与し、賃上げ・物価上昇の好循環が続きそうな状況であれば来年4月頃の金融政策決定会合で、政策修正を検討することもシナリオの一つとして考えられるかもしれません。FOMCの利下げタイミングと日銀による政策修正のタイミングが重なるようなこととなれば、ドル円も大きくダウンサイドへ走り出す可能性があるため、今後の日米の政策をめぐる情報にはより注視してみていく必要がありそうです。

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