FXレポート

FOMCは「ハト派的」でドル売り、本日は英BOE・欧ECBの両会合に注目

-前営業日サマリー-
 ドル円は145.45円でオープン。東京市場では、日銀短観・大企業製造業DI予想上振れなどから145円台前半まで押し込まれるも、早々に買い戻されると円安・ドル高基調で145円台中盤まで浮上しました。ロンド市場では、序盤は流れそのままに一時145.99円と節目目前まで上昇も、その後は米FOMCを控えて様子見感も強く、再度145円中盤まで押し戻されました。また、英月次GDPの予想下振れを受けてポンド売りが加速、ユーロも連れ安で欧州主要クロス円は軟調な推移が目立ちました。NY市場では、序盤に発表された米PPIが全般予想より弱い内容となるとドル売り優勢、ドル円は日通し安値を更新し下値を試しました。その後、注目の米FOMCは、政策金利(FFレート)を5.25-5.50%で予想通り据え置いた一方、FOMCメンバーの金利見通しであるドットチャートにて、2024年末時点の中央値が5.1%→4.6%に下方修正されました。来年の利下げ見通しが、前回9月の2回から3回へ修正されたたことなどを受け、米長期金利の低下とともにドル売りが急加速、ドル円は一時142.63円まで下落した後、142.89円で取引を終えました。

-FOMCは「ハト派的」でドル売り、本日は英BOE・欧ECBの両会合に注目-
 本日のイベントは、豪雇用統計、スイス中銀政策金利、ノルウェー中銀政策金利、英BOE政策金利、欧ECB政策金利/ラガルドECB総裁発言、米小売売上高/新規失業保険申請件数、メキシコ中銀政策金利が予定されています。
 欧州各国の中銀イベントラッシュです。とりわけ英BOEと欧ECBの両会合に注目となります。政策金利の市場コンセンサスは、BOE・ECB共に据え置きが濃厚となっていますが、米FRBと同様、景気悪化や金融緩和転換への観測が高まっており、声明や総裁の発言内容から「利下げ」への言及、見通しが示されるかがポイントとなりそうです。ただ、現時点で来年の金利見通しに対して踏み込んだ内容は避けてくる可能性はあると同時に、タカ派インパクトな内容が飛び出す余地も限定的と思われます。
 そのため、イベント消化から一旦買戻しフローはありそうながらも、大きくポンド高・ユーロ高に傾くシナリオは考えにくく、また来週に日銀会合を控えて円を取り巻く警戒感が依然高い点などを踏まえると、ポンド円やユーロ円はダウンサイドを意識して戦略を練るのが無難かもしれません。加えて、NYタイムには米小売売上高も予定されています。予想は前月から概ね横ばい、大きく下振れない限りは、欧州と比較して底堅い米景気を材料に、対ドルで欧州通貨売りを誘う可能性もあり、方向感が出るようであれば、ポンドドルやユーロドルの取引にも妙味がありそうです。

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