米FOMC、ドットチャート・パウエル議長の発言に注目
-前営業日サマリー-
ドル円は146.11円でオープン。東京市場では日経新聞朝刊で「(日銀がマイナス金利政策を)12月解除の事前予告の見方もある」と報じられたことなど受けてじり安、一昨日の「日銀はマイナス金利解除を今月急ぐ必要ない」前の水準までドル円は全戻しとなりました。ロンドン市場でも円安基調が継続して一時145.22円まで下落しました。その後に発表された11月消費者物価指数(CPI)ではほぼ予想通りだったことを受けて当初はドル売りで反応、一時日通し安値となる144.72円まで下落しました。NY市場では米10年債利回り上昇に連れてドルが買い戻されて145.85円付近まで持ち直しましたが、その後は145.60円を挟んでの方向感のない動きとなり145.45円で取引を終えました。
-米FOMC、ドットチャート・パウエル議長の発言に注目-
本日のイベントは、NZ四半期経常収支、日銀短観、英GDP、南アフリカCPI、欧鉱工業生産、米卸売物価指数(PPI)、米FOMC・政策金利発表、米パウエルFRB議長記者会見などが予定されていいます。
昨日は米FRBが政策決定の際に重視している米消費者物価指数(CPI)が発表されました。総合CPI・コアCPI共に前年同月比で予想通り、前月比でもほぼ予想通りとなりマーケットに大きな動意を与える結果とはなりませんでした。ただ、項目別では、家賃が前年比で+6.5%、前月比で+0.4%となるなど、粘着質な項目で前月比での伸びがみられ、全体結果と比して高止まりを示す結果となりました。
そして本日は米FOMC2日目で、政策金利は据え置かれる見込みです。会合後には四半期毎の経済見通し(SEP)が発表され、この中でFOMCメンバーが適切と考える政策金利水準の分布図(ドットチャート)が更新されます。前回9月時点では2024年での25bpの利下げ2回が示されましたが、市場(FedWatch CME)では2024年中での5回の利下げを織り込んでいます。今回のドットチャートで2024年中での利下げ回数増加の見通しが示されれば、市場のハト派の受けとめからドル売りの動意となる可能性に留意して取引に挑みたいです。
また、FOMC後のパウエル議長の会見で、利下げ開始時期についての言及があるかにも注目です。現状、市場(FedWatch CME)では5月のFOMCでの利下げ開始予想が多数ですが、昨日のCPIで価格に粘着性のある家賃やサービスなどの項目での前月比上昇を示したことからも、パウエル議長としてはインフレ再燃リスクには気を遣う必要があり、利下げを急ぐ姿勢は見せにくいと考えられます。会見で、市場の想定より金利の長期据え置きととられる発言があった場合には、タカ派と受け止められてドル買いの動意となる可能性にも留意して取引に挑みたいです。