FXレポート

米雇用統計 失業率・平均時給に注目  日銀関係のヘッドラインに注意

-前営業日サマリー-
 ドル円は147.18円でオープン。東京市場では、本邦長期金利の上昇や日経平均株価が下落幅を強めたことによるリスク回避の円買いが強まり、146円台前半までの下押しとなりました。ロンドン市場では植田日銀総裁の国会答弁でマイナス金利解除観測への期待感から急激な円高が進行、一時144.54円とロンドンオープンから約2円近く下落しました。NY市場でも引き続き円買いの流れが継続、米新規失業保険申請件数の発表後には一時ドル買戻しが入ったものの、再度円買いの流れが再開して2時台に1時過ぎに付けた143.78円を割り込むと、ストップロスを巻き込みながら一時141.61円まで急落しました。その後は切り返して143円台半ばでの推移が続き、144.06円で取引を終えました。

-米雇用統計 失業率・平均時給に注目  日銀関係のヘッドラインに注意-
 本日のイベントは、本邦四半期GDP改定値、本邦貿易収支、印政策金利、独CPI改定値、米雇用統計、米ミシガン大消費者態度指数などが予定されています。
 昨日は、植田日銀総裁が参議院財政金融委員会で、今後の金融政策運営について「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになると思っている」と発言したことで、市場では12月会合でのマイナス金利解除への思惑が浮上し、大きく円高ドル安が進みました。
 そして、本日はFRBが金融政策を決定する際に重視している米雇用統計の発表が予定されています。今週発表された米経済指標では、JOLTS求人件数、ADP雇用統計(前月比)、昨日発表の新規失業保険申請件数において概ね労働市場緩和を示唆する結果となりました。
本日発表予定の11月雇用統計では、非農業部門雇用者数変化(NFP)[前月比] が19.0万人(前回15.0万人)、失業率が3.9%(前回結果3.9%)、平均時給[前年同月比]が4.0%(前回結果4.1%)と予想されています。今回の結果が予想に比してのNFP上振れや失業率・平均時給の改善など、労働市場緩和予測を覆す結果となれば、今週発表された経済指標が概ねFRBの政策転換期待を支える結果となっていたことからドル買いの動意となる可能性があります。一方、労働市場緩和を後押しする結果となれば、昨日に円買いが円高ドル安の主な要因だったことから、ドル売り要因での円高ドル安の動意になる可能性も考えられます。中でも失業率が4%台に乗れば2022年1月以来、平均時給が4.0%を下回れば2021年6月以来となることから、これらの結果には注目です。
 本日は雇用統計の結果に注目すると共に、日銀関係のヘッドラインにも十分警戒しながら取引に臨みたいです。

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