FXレポート

米下院次期議長選、米議会の混乱収まるか

前営業日サマリー-
 ドル円は、148.44円でオープン。 東京市場では、毎月勤労統計調査が発表され、日本の実質賃金マイナスとの内容が伝わるとドル買いが先行。欧州市場入りにかけてじりじりと上値を伸ばし148.98円を付けました。 欧州市場では、この日注目の米雇用統計を前に様子見ムードが強く方向感に欠ける展開が続いた後、米9月非農業部門雇用者数が予想を大幅に上回る結果が伝わると市場は大きくドル買いで反応。ドル円は149.53円と日通し高値を更新しました。 NY市場では、150円の大台を前に政府・日銀による為替介入への警戒感が高まり、上値が重く伸び悩み、最終的に149.31円で取引を終えました。

-米下院次期議長選、米議会の混乱収まるか-
 本日のイベントは、独鉱工業生産、メキシコ消費者物価指数(CPI)、米ダラス連銀ローガン総裁・バーFRB副議長・ジェファーソンFRB理事の発言が予定されており、日本とアメリカは休場となります。
 先週3日、米議会下院、共和党のマッカーシー議長が解任されたとの報道がありました。下院議長の解任は米国史上初の事例となり、10月11日に議長選の投票予定との情報が伝わっていますが、米議会の混乱の中、次期議長選の動向に注目が集まっています。
 7日時点では共和党スティーブ・スカリス院内総務とジム・ジョーダン議員の2名が立候補を表明。さらにはトランプ前大統領が、共和党の規則上、議長職に就く資格がないものの、下院議長の選出が困難な場合には「暫定議長」に就くとの意欲を示しており、今後さらに立候補者が増えた場合には、後任選びが難航するリスクが考えられます。仮に難航した際には、現行のつなぎ予算の期限は11月17日となりますが、予算に関する協議の遅れが発生する可能性から、再び米政府機関の閉鎖リスクが浮上、格付け会社による米国債格下げの懸念などが生じ、米議会が混迷することがドル売りの材料視とされることが推測され、米下院次期議長選の動向に目が離せません。
 そして今週は12日に米消費者物価指数(CPI)、13日にミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、11月1日~2日に控えるFOMCでの利上げ有無についてのヒントを探る一週間となりそうです。

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