米雇用統計に注目
-前営業日サマリー-
ドル円は、149.04円でオープン。東京市場では、本邦為替介入への警戒感が高まる中で、午前には米長期金利の低下などから円買い・ドル売りが加速し148.26円まで一時急落、午後はもみ合いから148円中盤まで小幅に浮上しました。欧州市場では、序盤から米長期金利の一転上昇に連れてドル買い優勢、149円台を回復し東京午前の下げ分を全戻しするも一服後は伸び悩み、148円後半で上値重たく推移しました。NY市場では、米新規失業保険申請件数が予想を下回る結果となり、米長期金利の上昇を受けてドルが強含むと149.11円まで日通し高値を更新しました。ただ、早々に押し戻され流れは一時的、ここまで敏感に振らされていた米長期金利の低下を背景に全般ドル安に傾くと、東京午前の安値圏148.30円台付近までじりじりと再度下落、やや戻して148.49円で取引を終えました。
-米雇用統計に注目-
本日のイベントは、独製造業新規受注、加雇用統計、米雇用統計/ウォラーFRB理事発言が予定されています。
今週メインの米雇用統計です。現時点の事前予想では、非農業部門雇用者数(NFP)は16.8万人で前回から増加ペース減速、失業率はやや改善、平均時給は前年比で横ばいとなっています。引き続き底堅いながらも米労働市場の緩和を示すデータが見込まれる中で、4日ADP雇用統計がおよそ2年半ぶりの伸びに落ち込んだ点などから、仮にNFP上振れや強いデータが出た場合のインパクトは大きいかもしれません。また失業率に関しても、直近9月FOMCにて年内見通し(3.7%-3.9%)が示され、この上下レンジに対する結果次第では材料視される可能性も想定しておきたいです。
毎度出たとこ勝負の面は強く、ドル円はどの水準でイベントを迎えるのかも考慮する必要はありますが、仮に上に振れるシナリオの場合、一旦150円ラインをターゲットに短期主体で流れに乗っても良さそうです。一方、売りで押し込まれたシナリオでも、相当なネガティブサプライズがない限りは、ファンダメンタルズを反映した足元のドル高トレンドや、参加者の旺盛な押し目買いに支えられ戻りも早そうなため、下値は丁寧に拾っていくスタンスが有効かもしれません。このほか、来週明けは日米が休場、週末のポジション調整に絡む動きも活発になる可能性も想定しつつ、トレード戦略を練っていきたいです。