FXレポート

ドル円145円突破の水準、口先介入伝わらなければ定着する可能性も

-前営業日サマリー-
 ドル円は143.68円でオープン。東京市場では、ゴトー日の仲値にかけて円安へ、午後も日経平均株価が上昇したことなどを材料に円安が加速、ドル円は144.10円まで上昇しました。ロンドン市場では、米CPI(消費者物価指数)が前年比ベースで予想をわずかに下振れ、ドル円は143.26円まで下落しましたが一時的でした。ニューヨーク市場では、円安が続く地合いの中、ドルが買い戻される動きも重なりドル円は144.81円まで上昇したのち、144.75円で取引を終えました。

-ドル円145円突破の水準、口先介入伝わらなければ定着する可能性も-
 本日のイベントは、英GDP、トルコ経常収支、米PPI(生産者物価指数)、米ミシガン大消費者態度指数/期待インフレ率が予定され、日本が山の日で祝日となります。
 ドル円をはじめクロス円の上昇が顕著になってきています。7月終わりに日銀がYCCを修正しましたが、2度の臨時オペと通常の国債買入オペ、機関投資家らの日本国債への堅調な需要を背景に、日本長期金利(10年国債利回り)の上昇は0.58%までで抑えられています。今週発表された日本の実質賃金も弱いものだったことから、日銀は金融緩和を続けざるを得ない状況だとの思惑もあり、また政府要人から口先介入がほとんど発せられていない状況も、安心して円を売ることができる材料になっているのかもしれません。
 ドル円が6月30日に145円を突破したタイミングは、午前中の2分30秒間という短い時間だけでした。当時はほぼ毎日口先介入が伝わり、為替介入への警戒感が大きかったマーケットでしたので、昨年9月に実弾の為替介入が行われた145円台が節目として強く意識されていたと考えられ、売り圧力も大きかったのかもしれません。しかし、今週は口先介入がほとんど伝わってきていない状況であり、為替介入への警戒感が6月末よりも薄い可能性があるため、6月30日高値の145.06円を突破しても、円買い戻し圧力はさほど大きくなくい可能性があります。
 口先介入のヘッドラインには注意が必要ですが、為替介入への警戒感が薄くドル円が高値を一段と更新していくシナリオも考慮しながら、本日は取引に挑みたいです。

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