金融政策決定会合 焦点はYCC修正の有無
-前営業日サマリー-
ドル円は140.18円でオープン。東京市場では、FOMC後のドル安の流れを引き継ぎながら20日以来の安値となる139.38円付近までドル円は下押しするも午後には日経平均が上昇に転じたことやアジア株の堅調な推移からリスク選考の円売りが優勢となったことで一転して買い戻しが優勢に、140.20円台まで値を戻しました。ロンドン市場では、欧州株や米株先物が堅調なことが支えとなりドル円も140円付近で底堅い推移。一方でラガルドECB総裁の会見内容がハト派よりであったことからユーロが売られユーロ円は154.79円まで一時下押しました。NY市場では、想定よりも強い米経済指標が相次いだことを契機に米長期金利が上昇すると円売り・ドル買いが進み、前日高値の141.19円を上抜けて一時141.32円まで上昇。ただその後に一部報道から今会合においてYCC修正案の議論を行うとの情報が伝わると一転して円が全面高となりドル円は139円台まで下落。139.49円で取引を終えました。
-金融政策決定会合 焦点はYCC修正の有無-
本日のイベントは、日東京都区部消費者物価指数、豪小売売上高、日BOJ政策金利、日日銀経済・物価情勢の展望レポート公表、日植田日銀総裁記者会見、加GDP、米個人所得、米PCEデフレーター、米ミシガン大消費者信頼感指数が予定されています。
昨日発表されたECB政策金利の結果は市場予想通りの0.25%利上げが決定され、その後に続いたラガルドECB総裁の発言では「短期的な景気見通しは悪化」などややハト派的な発言が見られました。これを受けて市場ではユーロ売りが進行、対ユーロでドル高が進んだこともありドル円は米長期金利の上昇とともに堅調な推移を見せました。
本日は欧米の会合に続いて日本で金融政策決定会合が控えています。政策金利の公表は正午頃、植田日銀総裁による会見は15時30分の予定となっています。市場では一部YCCの撤廃もしくは修正があるのではとの見方も広がっており、YCC等政策修正に関する言及があるかが今回会合の焦点となりそうです。仮にYCC政策変更があれば円高への動きを加速させることが考えられます。一方で金融緩和継続を強調する内容となれば円安方向への動き出しとなりそうです。ただ、日銀関係筋からとされる一部報道によると「現時点でYCC修正の必要性は乏しいとみている」といった発言が伝わっています。報道による政策変更期待が縮小していることを踏まえると緩和維持の決定は相場を大きく動意づかせるものとはならないかもしれません。