円高・ドル安続く、投機筋のポジション整理受けて為替の値動き大きくなった可能性
-前日サマリー-
ドル円は142.14円でオープン。東京市場では、先週末の米雇用統計を挟んで円高になった押し目感とゴトー日による実需勢のドル買いが重なり、ドル円は143.00円まで上昇しました。ロンドン市場では、円売りの流れが続かず、米長期金利が4%台で推移していたことを受けた値ごろ感からの米国債買い・米長期金利低下を受けてドル円も反落、142.08円まで下落しました。ニューヨーク市場では、FRB要人らの発言が伝わったものの新たな材料とはならず、NY連銀の調査にて1年先の期待インフレ率が前月から下振れしたことも材料視されドル円は一段安、141.29円まで下落して取引を終えました。
-円高・ドル安続く、投機筋のポジション整理受けて為替の値動き大きくなった可能性-
本日のイベントは、英失業率、独ZEW景況感調査が予定されています。
円高・ドル安の地合いが続いています。投機筋の手口の一部が毎週示されるIMMポジション状況を確認すると、先週3日時点で円の売り越しが11.7万枚と、この数年で最も売り越しに傾いていた2022年3~5月を上回る規模の円売りポジションが溜まっていました。日本と海外の金利差を狙った円キャリー(円売り外貨買い)取引が活発だったことに加え、外国人投資家が日本株を買う場合によく用いる為替ヘッジ(日本株買付金額と同額の円を売る)の円売りが重なっていた可能性も考えられます。ここ数日の円高は、今週発表される米消費者物価指数(CPI)や、政策修正観測が出始めた日銀金融政策決定会合が今月末に控えて、ポジション整理の動きがあったのかもしれません。
今月初めの時点で記録的な円売りポジションが溜まっていたことを考えると、明日12日の米CPI発表前にかけても、ポジション整理の円買戻しが追加で出てくることも考えられます。ドル円は145円目前の水準では、政府・日銀による為替介入が警戒されて値動きが小さく(ボラティリティが低く)なっていましたが、ある程度投機筋のポジションが軽くなっただろうことを想定すると、先週よりは為替相場の値動きが大きい地合いが続くかもしれません。マーケットのボラティリティが高まった地合いを想定しながら、本日も取引に挑みたいです。