FXレポート

パウエルFRB議長の議会証言に注目

-前営業日サマリー-
 ドル円は140.25円でオープン。東京市場では、日経平均株価の下落と日銀会合前の持ち高調整が重なりドル売りが先行、一時139.85円まで下落しましたが、日銀が緩和政策の現状維持を発表すると一転して上昇、16時過ぎには141円台に乗せました。ロンドン市場では、ドル買い・円売りが一服するも日米金利差が再び意識され141.57円まで上昇しました。ニューヨーク市場では、米ミシガン大消費者態度指数が予想を上回った一方、消費者の1年先期待インフレ率が3.3%と予想を大きく下回りました。指標発表直後はインフレ期待の下振れで下に反応しましたが、すぐに持ち直し米長期金利の上昇に伴うドル買いが優勢になると一時141.91円まで上昇、最終的に141.86円で取引を終えました。

-パウエルFRB議長の議会証言に注目-
 本日のイベントは、トルコ消費者信頼感指数が予定されているほか、アメリカが祝日のため休場となります。
 先週は重要指標や主要国の政策金利発表が相次ぎ、材料に事欠かない一週間でした。日米欧の政策金利発表はそれぞれが概ね市場予想通りの結果となり、欧ECBのみ0.25%利上げを決定しました。一方、今回の米FOMCでは2023年末の予想中央値が5.6%と3か月前から0.5%上振れしたことで年内の0.5%利上げがほのめかされたほか、欧ECBに関してはラガルドECB総裁が次回の追加利上げを示唆したことで、次回7月のFOMC、ECBにはいつも以上に注目が集まりそうです。
 今週は21,22日に米上下院でパウエルFRB議長の議会証言が予定されています。やはり注目は、先週のFOMCで示唆された「年内の0.5%利上げ」について言及があるかという点で、昨今のインフレ鈍化や商業用不動産市場の悪化などを鑑みて追加利上げの妥当性が問われることになりそうです。議会証言に先立ち先週16日に公表された米金融政策報告書では今後の金利見通しは不確実性が高いとしながらも、サービス分野のインフレ高止まりと労働市場の逼迫さを問題視しており、仮にパウエルFRB議長がさらに踏み込んだ発言をするようなら、ドル円が動意づくと同時に日銀の為替介入への警戒感が台頭してくることを念頭に、取引に臨みたいです。

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