米政策金利発表前日の米CPI 予想値との振れ幅に注目
-前営業日サマリー-
ドル円は138.88円でオープン。東京市場では日経平均の3日ぶりの反発を受けてリスクオンの円売りが意識され円安ドル高で推移、更に「来週の日銀金融政策決定会合では金融緩和維持の公算が大きい」との一部報道が伝わると買いが強まりました。ロンドン市場では東京市場からの買いの継続を受けて序盤に一時139.72円まで上値を伸ばした後は売り戻される展開に、カナダ雇用統計の悪化を受けて一時139.03円前後まで下押しました。NY市場では目立った材料もなく方向感に乏しい推移となり139.42円で取引を終えました。
-米政策金利発表前日の米CPI 予想値との振れ幅に注目-
本日のイベントは、本邦国内企業物価指数、トルコ経常収支、米月次財政収支が予定されているほか、オーストラリア、ロシアが休場となります。
今週は5月米消費者物価指数(CPI)と米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されています。今回は14日の政策金利発表の前日の13日に米CPIの発表があることから、米CPIの結果次第では今後の政策金利動向に対する市場認識に少なからず影響を与えると考えられるために注目です。5/10に発表された4月のCPIでは前年同月比4.9%上昇と、前月の5.0%上昇から減速して予想の5.0%上昇も下回りました。今回は前年同月比4.1%上昇と予想されています。また、変動の大きいエネルギーと食料を除いたコア指数は同5.5%上昇で前月の5.6%上昇から減速となり、予想とは一致しました。今回は前年同月比5.2%上昇と予想されています。政策金利に対する市場のメインの認識は、6月現状維持が73.6%、7月0.25利上げが53.3%(FedWatch・CME、6/10AM3時時点)ですが、米CPIの結果次第で変わってくる可能性があります。4月のCPIの伸びは0.1%鈍化でしたが、今回は0.8%鈍化と予想されており、予想を大きく上振れして前回並みの結果となった場合はインフレ圧力の根強さが確認されて6月利上げ予想が強まり、ドル買いに勢いが生じる可能性があります。一方、コア指数は前回から0.3%鈍化と予想されていますが、下振れして前年同月比5.0%上昇を下回る結果が出ればドル売りの動意になる可能性も考えられます。米CPIの結果と予想値との振れ幅が相場に大きな動意を与えることも想定して取引に臨みたいです。