米雇用統計 賃金インフレは鈍化か
-前営業日サマリー-
ドル円は131.26円でオープン。東京市場では序盤に米景気後退懸念からリスク回避の円買いが優勢となり、130.78円付近まで軟化するも、米雇用統計の発表を明日に控えていることから下げ渋り、午前の下げ幅を帳消しにする形で午後は131円中盤まで上値を伸ばしました。ロンドン市場ではドル売り先行も持続性に欠けてか方向感の乏しい展開が続くも、米失業保険申請件数が予想より弱い結果となったことが伝わると米長期金利の低下とともに一時130.90円付近まで急落。ただ、売りの反応は長続きせずにその後は米長期金利が低下幅を縮めたのを眺めながらドルの買い戻しが優勢となりました。NY市場にかけては131円後半まで値を回復させて131.78円で取引を終えました。
-米雇用統計 賃金インフレは鈍化か-
本日のイベントは、米雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率、製造業雇用者数、平均時給)が予定されており、米国をはじめ、イギリス、メキシコ、オーストラリアなど多くが休場となります。
新たな年度迎えて本日はとうとう米雇用統計の発表を迎えます。市場の注目が集まる重要イベントです。同指標の事前予想は非農業部門雇用者数:24.0万人(前回値:31.1万人)、失業率:3.6%(前回値:3.6%)、平均時給:4.3%(前回値:4.6%)となっています。足元の米国のインフレの牽引役はサービス価格となっており、その中でもとりわけ労働市場の逼迫から派生する賃金の影響が大きくなっています。そのため平均時給の結果は注視する必要があります。仮に予想を下振れた場合にはインフレ鈍化の観測から米長期金利の低下とともに市場のハト派見通しが補強され、ドル売りの強まる展開が考えられ、同時に米国をはじめとした多くの国が休場となり本日は取引も薄くなることから一方向へのトレンド形成がされやすいことも考慮しておくべきかもしれません。ただ、先日公表されたJOLTS求人やADP雇用統計は予想を下振れる内容となったことから労働市場の逼迫に緩みを確認できました。同指標らは米雇用統計の先行指標となることから本日の予想下振れ可能性についても幾分か市場での織り込みが進んでいるといえます。想定より動意づかないシナリオも可能性に含めたうえで指標の結果を確認していきたいです。