利上げペース加速か パウエルFRB議長はタカ派な見解
-前営業日サマリー-
ドル円は135.90円でオープン。東京市場ではパウエルFRB議長による議会証言を控える中、積極的に上値を試す勢いは見られず、136円を挟んで方向感のかける動きとなりました。ロンドン市場でも一方向へ進む勢いが乏しく、一時135.55円近辺まで下押しする場面はみられるも、その後は買い戻しが入りました。NY市場ではパウエルFRB議長が議会証言にてタカ派な発言をしたことを受けて米長期金利の上昇とともにドル高優勢の展開となり、年初来高値を更新しながら137.13円で取引を終えました。
-利上げペース加速か パウエルFRB議長はタカ派な見解-
本日のイベントは、豪ロウRBA総裁発言、欧ラガルドECB総裁発言、米ADP全米雇用統計、カナダBOC政策金利、米JOLTS求人、米パウエルFRB議長の議会証言(2日目)、米地区連銀経済報告(ベージュブック)が予定されています。
FRBのパウエル議長は昨日、上院銀行委員会で行った証言にて堅調な米経済指標の結果を受けて「必要であれば利上げペースの加速用意」などタカ派な見解を示しました。2月のFOMCで利上げ幅を0.25%に縮小しましたが、市場ではパウエル議長の発言から次回21、22日に予定されているFOMCでは0.50%利上げが決定するとの観測が高まっており、金利先物市場のデータを基に市場の利上げ織り込み度を算出したFedWatchでは0.50%利上げが7割程度と優勢になっています。仮に10日公表の雇用統計や14日公表の米消費者物価指数の結果が引き続きインフレの強さを示す内容となった場合は従来の想定よりもターミナルレート見通しも高まりドル円は上昇を加速することが考えられそうです。ただ、市場で引締め論が再燃していることを踏まえると同指標が幾分でも想定を下振れたときのドル安インパクトは大きくなりそうです。
本日はパウエルFRB議長による議会証言(2日目)や米ADP雇用統計が予定されています。同指標は雇用統計の先行指標となり議会証言からは金融政策に関する新たなヒントが得られるか、どちらも注目が集まります。再び相場を動意づかせるイベントとみてヘッドラインには注視して取引に臨みたいです。