FXレポート

植田日銀体制エピソードゼロ、衆議院所信聴取

-前営業日サマリー-
 ドル円は134.83円でスタート。東京市場では、日本が祝日のため円相場の値動きは限定的、ややドル安の流れがあったことで134.76円まで小幅安となりました。ロンドン市場では、円買い・ドル買い戻しの流れの影響でドル円は値動きに乏しいながら小幅に反発、135.00円まで上昇しました。ニューヨーク市場では、米GDP(10-12月期)が下方修正された一方でコアPCE(10-12月期)が上方修正、ドル円は135.36円まで上昇し年初来高値を一時更新、引けにかけては翌日の日銀新総裁候補らの所信聴取を控えて円買いの流れもあり、134.50円まで反落した後134.69円で取引を終えました。

-植田日銀体制エピソードゼロ、衆議院所信聴取-
 本日のイベントは、日本消費者物価指数(全国CPI)、日銀次期正副総裁候補者(植田氏、氷見野氏、内田氏)への所信聴取(衆議院議運委)、米PCEデフレーター、米個人所得、米新築住宅販売件数、米ミシガン大消費者信頼感指数(確報値)、米ジェファーソンFRB理事発言、米メスター・クリープランド連銀総裁発言、コリンズ・ボストン連銀総裁発言、ウォラーFRB理事発言が予定され、ロシアのウクライナ侵攻から1年の日となります。特に注目すべきは、日銀総裁候補らへの所信聴取です。
 政府は2月10日、次期日銀総裁の候補者として植田氏、副総裁の候補者として氷見野氏、内田氏を起用する人事案を示しました。植田氏は当日、「現在の日銀の金融政策は適切、緩和の継続が必要」と記者団に話しましたが、公式の場で日銀総裁候補として発言するのは本日の所信聴取が初の場となります。
 植田体制の日銀金融政策について、事前予想では金融緩和継続やYCC修正、マイナス金利解除など、現在は様々な憶測が飛び交っています。言い換えると、市場予想が定まっていない状況と言えるでしょう。本日の所信聴取は、植田体制の日銀がどのような金融政策を進めていくのか、植田・氷見野・内田氏らの発言から占われ始める場だと考えられ、為替相場でも発言やヘッドライン一つで突発的な値動きが出てくることが想定されます。
 本日は、ヘッドラインに敏感に反応する相場になることを想定して、ポジションサイズやトレードスパンのコントロールに重きを置き、取引に挑みたいです。

■今後の主な日程
・2月24日午前:日銀総裁候補、植田氏の所信聴取(衆議院)
・2月24日午後:日銀副総裁候補、氷見野・内田氏の所信聴取(衆議院)
・2月27日午後:植田氏の所信聴取(参議院)
・2月28日午前:氷見野・内田氏の所信聴取(参議院)

・2~3月中:日銀正副総裁の人事案採決(本会議)
・3月9~10日:日銀金融政策決定会合(黒田総裁が参加する最後の会合)
・3月19日:雨宮・若田部副総裁の任期満了
・4月8日:黒田総裁の任期満了
・4月27~28日:日銀金融政策決定会合(新体制下での初会合、新総裁の記者会見)

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