FOMC議事録、ハト派でドル安の場面あっても一時的の可能性
-前営業日サマリー-
ドル円は134.23円でスタート。東京市場では、仲値にかけて134.15円まで下落した場面もありましたがドル買いのフローも重なったことで底堅く推移、134.49円まで上昇しました。ロンドン市場では、主要国で特にリセッション懸念が大きかった英国のPMIが予想を上回ったことでポンド買いの展開、ポンド円は161.50円から163.75円まで上昇しました。ニューヨーク市場では、米PMIが予想を上回ったことでドル買いが加速、ドル円は134.80円から135.22円まで上昇して年初来高値を更新、その後発表された米中古住宅販売件数が予想を下回ったことでドル買いは失速し、135.00円で取引を終えました。
-FOMC議事録、ハト派でドル安の場面あっても一時的の可能性-
本日のイベントは、豪賃金指数、ニュージーランドRBNZ政策金利、独IFO景況指数、ロシア議会特別会議、米5年債入札、FOMC議事録公表(1月31日-2月1日会合分)が予定されています。特に注目すべきは、FOMC議事録です。
今夜公表されるFOMC議事録の対象会合は、今年1月31日-2月1日に開催されたFOMCです。この会合では、利上げ幅を0.25%に縮小、声明では「利上げ継続が適切になる」と表明して早期利上げ停止・年内利下げ観測をけん制、パウエルFRB議長は会見で「ディスインフレ(高インフレの鈍化)」の初期段階に入ったとの見方が示されました。市場の楽観的な見方をけん制する内容を含んでいたものの、利上げペースが減速され、インフレ鈍化の兆候について言及された点から、ハト派な内容も含んだ会合だったとみることもできるかもしれません。
ただ、このFOMC後に発表された米雇用統計などの経済指標では、米国経済の力強さやインフレ長期化が確認される内容が続いています。今夜公表されるFOMC議事録のなかでハト派な内容が含まれている場合には、為替相場ではドル安に反応する可能性もありますが、2月の強い米国経済指標が思い出される形でドル安が一時的な動きにとどまるシナリオも考えられます。FOMCから3週間が経過した現在(2月21日時点)では、FRB政策金利のターミナルレートは5.25~5.50%まで(あと3回の利上げ)市場で織り込み済みである点でも、市場コンセンサスは大きく変化しています。
米国のファンダメンタルズが2月経済指標で変わったことを前提にFOMC議事録を確認しながら、本日も取引に挑みたいです。