米雇用統計、ISM非製造業指数の注目ポイント
-前日サマリー-
ドル円は128.97円でオープン。東京市場では、前日のFOMCからの円高・ドル安が進行して、128.18円まで下落しました。ロンドン・NY市場では、BOE(英中銀)の政策金利・ベイリーBOE総裁の会見にて、インフレの低下見通しが示されたことでポンド安が目立った相場、ポンド円は159円から157.20円まで下落しました。
また、ECB理事会では0.5%利上げが決定され、QT(バランスシート縮小)の詳細が発表された一方で、ラガルドECB総裁の会見では、昨年12月会合ほどタカ派な内容ではなく、経済の減速や雇用情勢の悪化についての言及が意識されてユーロは下落、ユーロ円は141.20円から140.11円まで下落しました。
ドル円は、ポンド・ユーロ売りのなか相対的に買われ、ドル円は128.50円を挟んだレンジ相場を経て、128.68円で取引を終えました。
-米雇用統計、ISM非製造業指数の注目ポイント-
本日のイベントは、中国サービス業PMI、欧卸売物価指数(PPI)、米雇用統計、米ISM非製造業景況指数が予定されています。
今夜の米雇用統計の市場予想は現時点で、非農業部門雇用者数が18.5万人増(前回:22.3万人)、失業率が3.6%(前回:3.5%)、平均時給が前年比で+4.3%(前回:+4.6%)、前月比で+0.3%(前回:+0.3%)となっています。インフレ動向と関係が近い平均時給は前月比で鈍化は見られない一方で、雇用はやや減速するだろうとの予想です。新規雇用者数のアナリスト予想の分布をみると、+18~20万人程度に集中しているため、このレンジを外れるとサプライズ感から、ドル円を中心に大きな値動きになるかもしれません。
また、ISM非製造業景況指数では、前回発表時に49.6と景気後退ラインを割ったことがサプライズとされ、ドル円のボラティリティは高まりました。今回の市場予想は50.4と、景気後退サインは一時的だっただろうとの予想が大勢です。そのため、前回に引き続き50割れの結果ならば、今回もサプライズ感が大きいと考えられるため、市場予想との比較だけでなく、50割れが続くかについても注目しています。
FOMCにパウエルFRB議長は記者会見で「3月までのデータ次第で今後の方針を定める」と発言していたことから、今回の結果が今後の政策、とりわけターミナルレートを決定する上で注目度は高いかもしれません。本日発表される2つの米重要指標には注意を払いながら取引に臨みたいところです。