週末のNY時間、「委託介入」で再び為替介入実施か
-前営業日サマリー-
ドル円は150.07円でオープン。東京市場では、時間外の米10年債利回りの上昇とともに、緩やかに下値を切り上げました。欧州市場では、上値を試す動きが加速し、19時過ぎには151円を突破。NY市場に入ると、米10年債利回りが2007年ぶりの4.33%台に乗せ、21時半ごろには152円目前まで上昇しましたが、12月FOMCでの利上げペースが落ちる公算が大きいと伝わると全般的にドル売りが進み、23時半過ぎから急落。日本政府による円買い介入とみられており、一時146.15円をつけるなどわずか1時間で6円弱程度下げました。その後も神経質な値動きが続いたものの、押し目買いも支えとなり147.73円で取引を終えました。
-週末のNY時間、「委託介入」で再び為替介入実施か-
本日のイベントは、仏PMI、独PMI、欧PMI、英PMI、米PMI(全て速報値)が予定されており、シンガポールとニュージーランドが休場となります。
先週金曜日は、NY市場にて為替介入を再び観測、マーケットは一時146.15円まで下落し、大きく円高に振れました。岸田首相や神田財務官は為替介入の有無についてコメントを控えていますが、日本経済新聞によると、関係者が22日未明、為替介入に踏み切ったと明らかにしました。政府・日銀が直接的な言及を避けていることから、現時点では9月22日の介入時よりも規模が大きいのではないかとの憶測以外、何も分かっていない状況です。ただ節目の150円を超えたことで、市場参加者の為替介入に対する警戒感が薄れドルの買いポジションが溜まってきていたことを踏まえると、9月22日と同様に、円ショートの損切りを巻き込む円高効果を狙った為替介入だったのではないかとの見方が強いです。一先ずは月末に公表される外貨準備高等の状況から今回の介入規模などの事実を確認したい局面です。
今週は、27~28日に日銀の金融政策決定会合を控えています。基本的には日米金利差の拡大を容認した従来の考えを再認識する会合となりそうですが、注目は今回の会合で公表予定の展望レポートです。9月の日本CPIがコアベースで前年比+3.0%と、インフレの加速が確認されたことで、インフレ見通しを上方修正する見込みとの報道があります。すぐに金融政策の方向転換がなされるとは考えにくいですが、先週末の為替介入も含め日銀の現在の円安ドル高に対する認識や今後の介入の条件やポイントなどを探りたいところです。何ら新しい情報がなかった場合、今後も各国との金融政策の方向性の違いが意識されることから、今回介入があった151円後半までは再び上昇する可能性を念頭に、足元の買い場を見極めながら取引に挑みたいです。