日銀為替介入公表と米PCEコア・デフレーターに注目
-前日サマリー-
ドル円は144.03円でオープン。東京市場では前日のNY市場で下落した反動から買いが入り、一時144.25円まで上昇しました。その後も時間外の米10年債利回りが3.82%台まで上昇幅を拡大したことで、ドル買いが強まり一時144.69円まで本日高値を更新しました。しかし、ロンドン市場に入りドル円の動きが失速。その後、米新規失業保険申請件数が好結果であったことから労働市場の改善が示唆されドル円が瞬間上昇したものの、その後は方向性に欠ける動きが続きました。NY市場では月末四半期末の動きからポンド買いが断続に入り157.40円から160.40円まで大幅に上昇しました。もっとも、ドル円はドルが対ポンドで大きく売られたと同時に円も売られたため、144円台半ばで小動きし、最終的に144.45円で取引を終えました。
-日銀為替介入公表と米PCEコア・デフレーターに注目-
本日のイベントは、中製造業・非製造業PMI、欧消費者物価指数、日本銀行為替介入額公表、米個人消費支出・PCEコアデフレーター、ブレイナードFRB副議長/ボウマンFRB理事/ウィリアムズNY連銀総裁の発言が控えています。その中でも、直近のインフレの状況が反映されている米PCEコアデフレーターに注目しています。PCEコア(前年同月比)の市場予想は+4.7%と前回(+4.6%)から小幅上昇となっています。また、同じくインフレ指標である米CPIを振り返ると、7月CPIコアの+5.9%に対し、8月は+6.3%とやや上昇している事から、8月PCEコアも上昇する可能性が高いと見ています。一方で、結果が市場予想を下回った場合、短期的にはドルが売られる可能性も考えられます。しかし、ブレイナードFRB副議長やメスター連銀総裁が、「インフレの低下を確認するには、数カ月のインフレ低下のデータが必要」と発言していることもあり、FRBの引き締めスタンスは変わらないと見られます。このことからも、同指標の結果が予想を下回りインフレ鈍化が想起された場合にドルが売られるようなことがあっても、中長期的にはドル買いのスタンスは変わらないと考えられます。
併せて注目したいのが、本日19時ごろ予定の日銀による為替介入額の公表です。22日に実施した24年ぶりの円買い介入によってドル円は145.90円から140.34円まで急落し約6円幅の下落となりました。今回の公表によって、どれだけの規模で行われたか、そして今後の介入額と値幅の予測を計るために結果に注目したいです。また、本日もポンドに関しては月末四半期末の調整で日本時間20時頃から動意付く可能性が考えられるため、取引する際は方向を意識しながら順張りで取れないか見極めたいです。