岸田首相、NY証券取引所でスピーチ
-先週サマリー-
先週のドル円は142.66円でスタート。火曜に発表された米CPIが予想以上に上振れしたことでドル円は142円から144.96円まで上昇、水曜に日銀が「レートチェック(民間の銀行へ為替レートを問い合わせる、為替介入の一歩手前の実弾を伴わない介入)」を行ったことと、本邦当局者らの円安に対する口先介入のトーンが上がったことで円高へ、ドル円は142.56円まで急落しました。週末にかけては、日本の為替介入を警戒して積極的な円売りが出にくくなったことと、主要国株式市場が下値を切り下げる形で株安となったことが材料視されて、ドル円は142.95円で取引を終えました。
-岸田首相、NY証券取引所でスピーチ-
本日のイベントは、日本岸田首相NY証券取引所でのスピーチが予定され、日本が休場、また英国もエリザベス女王の国葬のため休場となります。
今週は水曜にFOMC、木曜に日銀会合、BOE、スイス中銀会合などが予定されていることから、日本と海外の金融政策の違いが意識される形で円が売られる展開が予想されてきました。しかし、本邦要人らによる円安けん制の口先介入のトーンが上がったこと、日銀が為替介入の一歩手前に相当する「レートチェック」を行ったことから、為替介入に対する警戒感が強まり、円を積極的に売る動きが出にくい可能性があります。予定されている岸田首相によるNY証券取引所でのスピーチの中で、円安に言及する場面が出てくれば、小休止している円安トレンドに変化が出ることも、可能性は低いですが考えられます。週央に控える政策金利ラッシュに向けたポジション調整の動きが優勢になることをメインシナリオに置き、岸田首相のスピーチでの為替言及の有無について気にしながら、本日は取引に挑みたいです。