パウエルFRB議長スピーチ、ジャクソンホール会議のトレード戦略
-前日サマリー-
ジャクソンホール会議を控えて、ポジション調整の動きが目立ちました。
ドル円は137.06円でスタート。午前中はゴトー日の東京仲値にかけてドルが売られドル円は136.73円へ一時下落、その後も米長期金利の低下が材料視されてロンドン市場にかけて136.35円まで下落が続きました。21時半に発表された米GDP(改定値)では、先月に発表された速報値(-0.9%、前期比)から-0.6%へ上方修正、ドル円はNY市場オープンにかけて136.95円まで小幅反発、その後は好調な米7年債入札の結果を受けて下落した米長期金利が材料視され136.50円まで反落して取引を終えました
-パウエルFRB議長スピーチ、ジャクソンホール会議のトレード戦略-
本日のイベントは、東京都消費者物価指数、米PCEデフレーター、ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演が予定されています。特に注目すべきは、パウエルFRB議長講演です。
パウエルFRB議長の議長職就任以降、ジャクソンホール会議での講演はハト派と捉えられる内容の年が多いです。
2018年:「緩やかなペースでの利上げ」が示唆され、市場の追加利上げ期待が後退
2019年:米中貿易摩擦による経済悪化を懸念した形で「追加利下げ」を示唆
2020年:インフレ目標を「2%」から「平均インフレ率が2%」に変更して、金融緩和継続を示唆
2021年:「年内テーパリング開始」を示唆した一方で、「早期利上げ」を否定
今年は、高すぎるインフレを抑制するために利上げを続けていく中でのジャクソンホール会議です。7月FOMC後のパウエルFRB議長記者会見では、今後の利上げは「データ次第」として、将来の利上げ継続期待が後退したことで、マーケットはドル売りで反応しました。今夜のパウエルFRB議長講演の中でも、「利上げはデータ次第」などの文言で市場の利上げ期待を後退させる場合には、ドル売りで反応することが考えられます。
市場の利上げ見通しを確認すると、9月FOMCでの利上げ幅は「0.75%」と「0.5%」で割れています。パウエルFRB議長の講演から9月以降の利上げコンセンサスに変化が出てくるかは注目すべきポイントになると考えられます。
ジャクソンホール会議のトレード戦略としては、パウエルFRB議長講演直後の値動きから逆張りする戦略が正当化されるシナリオも考えられます。今週は水曜・木曜のロンドンフィックス(24時、日本だと東京仲値に相当)にかけて、マーケットのトレンド転換の動きが目立ちました。ユーロドルがパリティ割れなど、最近のドル高を受けた資金フローが大きかった可能性が考えられます。今夜23時から始まるパウエルFRB議長の講演をうけて為替に値動きが出てくる場合でも、昨日・一昨日と同様にロンドンフィックスにかけてトレンド反転する可能性もあるため、24時に向けて逆張りを仕掛ける戦略が正当化されるシナリオも想定しながら、本日は取引に挑みたいです。