ユーロドルがパリティへ接近、ドル円も急騰に備え
-前日サマリー-
東京市場のドル円は136.13円でスタート、参院選の自民党大勝は事前予想通りだったことで朝方は緩やかに上昇、黒田日銀総裁が日銀支店長会議挨拶で追加緩和を示唆したことで円売りが加速、ドル円は137.27円まで上昇して高値を更新しました。ロンドン市場では、先週から続くユーロドル下落トレンドが意識されてドルが買われる動き、ドル円も137.74円まで続伸しました。ニューヨーク市場では、米国株価指数の下落が意識される形で円が買い戻され、ドル円は137.42円まで反落して取引を終えました。
-ユーロドルがパリティへ接近、ドル円も急騰に備え-
本日のイベントは、独ZEW景況感指数、ベイリーBOE総裁発言、米10年債入札が予定されています。
ユーロドルがパリティ(1.00)に向けて下落しています。主な要因として、米FOMCが今月0.75%利上げを行うことを市場が完全に織り込んだことによる継続したドル買いと、欧州のロシア産天然資源輸入周りの懸念が欧州経済リセッションを招くとの懸念によるユーロ売りが重なっていることが挙げられます。
注意したいのが、ユーロドルは世界の金融市場で最も取引量の多い通貨ペアということです。BIS(国際決済銀行)によると、ユーロドルの取引量は全体の24%を占め、次いで多いドル円(13.2%)より2倍近い金額の取引が行われています(2019年4月データより)。そのため、為替市場ではユーロドルのインパクトは大きく、ユーロドルが動意づくことによって、他通貨ペアの値動きが影響を受けることがよくあります。ユーロドルの下落トレンドが続きパリティ割れとなる場合、パリティ近辺でのストップロスを巻き込む形で、ユーロドル売り注文が一気に出てくることで、売りが売りを呼ぶようにユーロドルが下落方向へ動意づく可能性があります。この場合、対ユーロでドル買いが集まることになりますが、ユーロドルは世界で最も取引量の多い通貨ペアのため、ドル円などにもドル高圧力が波及するだろうと考えられます。ユーロドルがパリティ(1.00)割れとなるかどうかも気にしながら、本日は取引に挑みたいです。