ユーロ急落、今夜IMS非製造業指数次第でリスクオフ加速か
-前営業日サマリー-
東京市場のドル円は135.65円でスタート、イエレン米財務長官と中国副首相の協議や日経平均の上昇が好感されたリスクオンムードで円が売られ、ドル円は136.36円まで上昇しました。また、RBA(豪中銀)政策金利では0.5%利上げとなったものの、一部で0.5%超の利上げ期待もあったことで、豪ドル円は93.78円から93.35円まで一時下落しました。ロンドン市場では、ロシア産天然資源の供給懸念が欧州のリセッションを招くとの懸念が強まったことでユーロが大きく売られるリスクオフムードへ、ユーロドルは1.043ドルから1.024ドルへ大幅安となり、2002年以来の安値を更新しました。ニューヨーク市場では、ここまで売られてきたユーロ・ポンド・豪ドルなどが自律反発した一方で、リスクオフムードで買われていたドルと円も売り戻される動き、ドル円はロンドン市場以降の136.60円から136.30円の広いレンジを狭めつつ、135.87円で取引を終えました。
-ユーロ急落、今夜IMS非製造業指数次第でリスクオフ加速か-
本日のイベントは、英建築業PMI、欧小売売上高、米ウィリアムズNY連銀総裁発言、米ISM非製造業景況指数、FOMC議事録公表が予定されています。特に注目すべきは、ISM非製造業景況指数です。
現在のマーケットで最も注目されているポイントとして、リセッション懸念が挙げられます。昨年末から続く世界的なインフレ(物価上昇)によって、世界経済が不況になるのではないかといった懸念です。そして、ここ数か月の景気の良し悪しを図る経済指標を確認すると、「景気拡大しているが、拡大ペースが急減速している」状況だとみなすことができます。
今夜発表されるISM非製造業景況指数は、米国サービス業の景気先行きを図る経済指標で、50を下回ると景気後退と判断されます。先週発表された米国製造業の先行きを図るISM製造業景況指数では、事前予想54.9に対して53.0という結果で、昨年12月の61.1から低下傾向が続いています。今夜発表されるISM非製造業景況指数も、昨年12月の69.1から先月の55.9へ、この半年間で急低下しており、今回の事前予想は54.3と、「景気拡大ペースが今後一段と減速するだろう」と予想されています。今後、ISM景況指数が50を下回る場合は、米国リセッションの黄色信号となり、実際にリセッションが発生しているのかを図るGDP(国内総生産)の注目度が増すことになります。
今夜のISM非製造業景況指数では、その予兆として前回値(55.9)・事前予想値(54.3)・景気後退値(50)と比べて、どの水準にいるのか慎重に確認して、取引に挑みたいです。