FXレポート

迫るECB利上げに向け、短期的なユーロ選好地合いに熱視線

-前営業日サマリー-
 東京市場のドル円は127.95円でスタート。序盤に節目回復も128円台では戻り売りも強く、正午付近までは調整のドル売り・円買いに押され一時127.15円まで下落しました。しかし、午後になると一転買い戻しの動きにシフト、バイデン米大統領の「対中関税の引き下げを検討」との発言も伝わる中で、クロス円の上昇とともに127.92円付近まで切り返した「往って来い」の展開となりました。欧州市場では、米長期金利の動向に反応しドル円は上下動となるも東京市場のレンジ内に留まりました。NY市場では米株相場が軒並み堅調な動きの中でクロス円は買いが先行、米長期金利の上昇なども支えにドル円は底堅く推移するも節目128円には僅かに届かず、127.90円で取引を終えました。

-迫るECB利上げに向け、短期的なユーロ選好地合いに熱視線-
 本日のイベントは、NZ第1四半期小売売上高、仏独欧英PMI、米製造業PMI/新築住宅販売件数/パウエルFRB議長発言、欧ラガルドECB総裁発言が予定されているほか、日米豪印Quad(クアッド)首脳会議が日本で開催されます。
 昨日は独IFO企業景況感指数の予想上振れやラガルドECB総裁の金融正常化に向けたタカ派的発言を契機にユーロ買いが加速、ユーロドルはおよそ1か月ぶりの高値水準まで上昇しました。ラガルド総裁からは、第3四半期末までにマイナス金利(現行-0.5%の中銀預金金利)脱却が示唆され、7月/9月のECB会合での0.25%ずつの利上げ見込みが高まっており、ECB10年余りで初の利上げ実施がもうそこまで来ています。本日もラガルド総裁の発言が予定されており、引き続きタカ派姿勢が確認されれば、市場の注目を集めているだけに当面のユーロ相場は敏感に反応しそうです。また、同氏は現時点では7月会合での0.5%利上げには否定的なスタンスながら、タカ派なECB理事の中から総裁の計画への不満が出ているとの情報もあり、仮に0.5%がより迅速な利上げの選択肢として残す旨が示されれば、一段のユーロ買いを促す展開も想定されます。加えて、今後更にECB利上げが市場のテーマとして存在感が出てくれば、欧日の金融政策・金利差を意識したユーロ買い円売り加速の可能性もあるか、ユーロの動向から目が離せません。

知りたい語句を入力して、検索ボタンを押してください

トレイダーズ証券

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第123号 加入協会 日本証券業協会 金融先物取引業協会 第二種金融商品取引業協会 日本投資顧問業協会 トレイダーズ証券は、上場企業トレイダーズホールディングス(スタンダード市場上場8704)の100%子会社です。