リスクオフの円高復活?大口円ショート勢のロスカットを巻き込むドル円急落に警戒
-前日サマリー-
東京市場のドル円は129.94円でスタート。日経平均株価が軟調に推移したこととビットコインなど暗号資産が大幅安になったことでリスクオフムード、円が買われてドル円は129.52円まで下落しました。ロンドン市場では、米長期金利が2.90%から2.82%へ低下したことと米株価指数先物の下落を受けて円買いが加速、ドル円は128.44円へ大幅に下落しました。ニューヨーク市場では、米卸売物価指数(PPI)が前年比+11%と予想(10.7%)ほどインフレが進んでいないことが確認できたことでドルが売られドル円は128.60円から127.97円へ下落、株式市場寄付きにかけて円が買われ一時127.52円まで急落しましたが、その後はドル買いの流れも優勢で128.31円で取引を終えました。
-リスクオフの円高復活?大口円ショート勢のロスカットを巻き込むドル円急落に警戒-
本日のイベントは、米ミシガン大消費者信頼感、米メスター・クリープランド連銀総裁発言、米ASEAN首脳会議が予定されています。
「リスクオフの円高」が昨日のマーケットでは顕著でした。4月以降のマーケットは、米金融引締めに対する警戒感から株式市場、暗号資産市場は大きく下落するリスクオフムードが続き、一方で為替市場では日米金融政策の違いが意識されて「円売り・ドル買い」の動きが続き、それまでワークしていた「リスクオフの円高」の反応はほとんど見られない環境でした。しかし、今週に入って米長期金利が3%超からピークアウト、為替市場ではこれまで意識され続けてきた日米金融政策の違いがある程度織り込まれたと考えられ、為替感応度が変化しはじめた可能性があります。先週時点のIMM通貨先物ポジション(ヘッジファンドなどの手口)を確認すると、円ショートに11万枚、円ロングに1.8万枚と、大口投資家は円ショートポジションを多く抱えていることから、円の買い戻しマグマが大きいと考えられ、また円高方向へ相場が走る場合、大口投資家の円ショートポジションのロスカットを巻き込み、円高方向へ動意づく可能性があるような手口状況となっています。昨日のドル円は130円から一時127.52円まで急落した動きで、特にニューヨーク市場オープン時は円高方向へ瞬間60銭程度動意づいたことから、前日安値127.50円辺りを割れる場合は、ドル円の速い下落に警戒が必要です。多数あるリスク材料に対して、復活した可能性があるリスクオフの円高の反応が、大口投資家の円ショートポジション切りを巻き込んでマーケットがあれることも想定しながら、本日は取引に挑みたいです。