日銀、金融緩和を継続、円安加速へ
-前日サマリー-
東京市場のドル円は128.40円でスタート。朝方のドル円は、日銀金融政策決定会合の結果発表を控えてか小動きで推移しましたが、発表を迎え、日銀の指値オペについて、応札が見込まれない場合を除き毎営業日実施との報道伝わると円安が加速。ドル円は、128.68円から129.87円まで上昇し、ロンドン市場入り前に130円台を突破しました。ロンドン市場では、財務省幹部から「為替の足もとの動きは極めて憂慮すべき」と、円安をけん制する発言が伝わり、ドル円は一時下振れる局面もありましたが、米10年債の上昇もあってか、130円半ばで推移しました。ニューヨーク市場でも、米国株式が上昇したことを背景にドル円は底堅さを継続、最終的に131.82円で取引を終えました。
-日銀、金融緩和を継続、円安加速へ-
本日のイベントは、豪第1四半期生産者物価指数、仏・独・欧第1四半期GDP(速報値)、欧消費者物価指数(速報値)、加GDP、米個人所得/PCEデフレーター/PCEコア・デフレーター/ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が予定されています。
昨日の日銀の金融政策決定会合にて、ハト派的な内容が伝わると、ドル円はおよそ20年ぶりとなる130円台を突破しました。日銀の政策維持の決定とともに、明らかに応札が見込まれない場合を除いて、指値オペをほぼ毎営業日実施すると発表されたことがサプライズとなりました。また、黒田総裁の記者会見においても、「強力な金融緩和を粘り強く続ける」との発言から強い緩和姿勢が伝わり、円安が加速しました。一方で、米10年債利回りは堅調に推移しており、今後米利上げが本格化していくことを踏まえると、日銀が金融緩和の方針を継続する中では、日米の金利差が縮小する可能性は低いと言えそうです。
ただし、市場では、日銀のマイナス金利政策の解除は困難だとしても、年内にも金融緩和修正に向けて何らかの方針転換が示されるのではないかとの声が上がっています。タイミングとしては、今年夏に控える参議院選挙を終えれば、しばらく政治的なイベントがなくなるため、そのころに日銀の方針転換の思惑が広がる可能性がありそうです。
目先は円安の流れに沿って取引を行うことに妙味があると考えられますが、各国が利上げに踏み切る中で日銀がどのような対応を取っていくのか、引き続き注視していきたいです。