引き続きFOMCをにらむ展開も、オミクロン株への懸念再燃か
-前日サマリー-
週明け東京市場のドル円は113.35円でスタートし、午前中には日経平均株価の上昇などを支えに113.50円台まで値を戻す動きとなりました。もっとも今週は米FOMC他、各国中銀会合が多数控えていることから様子見の展開も否めず、その後は動意薄でもみ合いとなりました。欧州市場でも、神経質な展開となる中、序盤には先週末の米CPI以後強まっていたドル売りの巻き戻しが観測されるなどドル高が先行しました。また、原油先物価格の失速に受けて、対資源国通貨を中心にドル買いに傾いた影響も加わり、ドル円は一時、先週末高値に迫る113.72円まで上値を伸ばしました。ただ、全般ドル高に一服感が漂うと上値は切り下げられ、NY市場では米株安・米10年債利回りの低下も重しにドル円は113.37円付近まで押し戻されました。その後はやや持ち直し、113.58円で取引を終えました。
-引き続きFOMCをにらむ展開も、オミクロン株への懸念再燃か-
本日のイベントは、英失業率、スウェーデン消費者物価指数、欧鉱工業生産、米生産者物価指数、FOMC1日目が予定されています。
昨日は米経済指標の発表もなく手掛かり材料に欠けたことで、ドル円は両サイドに方向感の出る展開とはなりませんでした。市場では「15日の米FOMCや16日の欧ECB政策金利、英BOE政策金利、17日の日銀金融政策決定会合といった中銀イベントを前に様子見ムードが強い」との声が聞かれており、本日も引き続き神経質な展開が想定されそうです。ただ、米テーパリング加速観測が下支え要因としてドル円の下値もある程度限られそうなだけに、思惑による値動きに注意しつつも113円台付近のレンジ相場をこなし、来るビッグイベントを迎えたいところです。
一方で、ここにきてオミクロン株への懸念が再燃し始めています。イギリスではオミクロン株の感染による初の死者が確認されたとのニュースが伝わり、今週のBOE会合での利上げ思惑が後退したことがポンドの重しとなる場面が見られました。ベイリーBOE総裁は「パンデミック初期に見られたようなストレスが金融市場を襲うことはない」との見通しを示していますが、当面は「オミクロン株」が材料視される展開が続くとみて、関連ヘッドラインに注視していきたいです。