ドル円いったん落ち着く、トルコ政策金利に要注目
-先日サマリー-
東京時間でのドル円は114.82円でスタート。前営業日から高値を更新し続けており、高い水準で推移しております。市場では「海外短期勢から115円の上抜けを狙った仕掛け的な買いが観測された」との指摘があり、一時114.97円と2017年3月以来の高値を更新する場面も見られました。しかし節目の115円手前では国内輸出企業からの売りが観測されたほか、115円のオプションに絡んだ売りも出たことで114.78円まで失速し、突き抜けることはありませんでした。午後の時点では114.80円とニューヨーク市場の終値(114.82円)と比べて2銭程度のドル安水準、仲値以降も本邦実需勢の売りが散発的に観測され、一時114.70円まで下落しました。10月20日の高値である同水準が下支えになると売りも一服しましたが、日経平均株価が軟調に推移する中では戻りも限られました。ロンドン時間でのドル円は114.75円付近での推移となり、ニューヨーク勢が参入してからの動意を期待する声が多く、やや上値が展開となりました。ニューヨーク時間では、ドル円は一時114.56円まで下落、そのあとは114.77円付近まで下げ渋る場面も見られましたが、米10年債利回りが低下に転じたことから戻りは限定的でした。その後もさらに下落が進み3時時点では瞬間114円割れを起こし、この日は114.09円で取引を終えました。
-ドル円いったん落ち着く、トルコ政策金利に要注目-
本日のイベントは、トルコ中銀の政策金利、南アフリカ中銀政策金利、米)新規失業保険申請件数米)ウィリアムズ:NY連銀総裁他、米連銀の要人発言が多数予定されています。注目すべきは20時のトルコ中銀の政策金利で現在100bpsの利下げ予想です。同国のエルドアン大統領は政策金利発表はあくまでも中銀が独立した判断で行われる旨の発言をしており、以前とはアプローチが異なっています。また、直近のトルコリラ円は連日安値を更新しており下落の流れが止まらない状況です。ここで前回のような予想を上回る利下げを行えば、さらなる売り材料となり下落に拍車がかかる可能性があります。一方ドル円は前営業日と打って変わり、114円割れを見せるなどやや下落基調で目先の目標であった115円から遠のいております。米10年債利回りが下げ基調にあることもドル円の弱含み要因であると考えられます。直近の材料ではバイデン大統領が感謝祭(25日)までにFRB議長を指名する可能性が高いとの報道からFRBの人事に進展が見られ、こちらも注目したいところです。