インフレ懸念は燻り続けるか、米CPIに注目
-前日サマリー-
東京市場のドル円は113.22円でスタート、強く始まった日経平均株価がダウ先物の下げを受けて売り先行になり、リスク回避の円買いが強まる展開となりました。米10年債利回りの低下に伴うドル安基調もここに加わり前日安値を割り込むと、節目の113円を割り込んだ112.72円まで下値を広げました。ロンドン市場に入ると買い戻しの動きもあり、終盤113円台まで回復するも上値が重い展開となりました。NY市場では米生産者物価指数(PPI)が発表、ほぼ予想通りの結果で市場の反応は限定的でした。その後は112円台へ戻す動きを経て、再度113円を試みるも節目には及ばず、112.86円で取引を終えました。
-インフレ懸念は燻り続けるか、米CPIに注目-
本日のイベントは、中)消費者物価指数/生産者物価指数、米)消費者物価指数/新規失業保険申請件数、週間原油在庫、30年債入札、露)第3四半期実質GDP(速報値)が予定されています。中でも連日発表されているインフレ重要指標、米消費者物価指数(CPI)に注目が集まります。
昨日は10月米生産者物価指数(PPI)がほぼ事前予想通りの結果だったことで市場の反応は限定的でした。ただ前月比では伸びが加速、サプライチェーンの問題は来年まで継続する見通しの中、生産者レベルでの価格上昇は今後更なる消費者物価高進を暗示しているとも言われています。本日の米消費者物価指数(CPI)の事前予想では、CPI前月比は+0.6%、前年比ではおよそ30年以上振りの大幅な伸び率が予想されています。加えて、FRBがインフレ指標として重要視するCPIコアについても+0.4%の伸び率が拡大する見込みです。対してパウエルFRB議長は「中長期のインフレ期待は抑制、利上げは急がない」との姿勢を維持していますが、市場に広がるインフレ懸念と先行き不透明感をより色濃くする結果となるか発表内容を見極めていきたいところです。