欧米要人発言に注目
-前日サマリー-
週明け東京市場のドル円は113.35円でスタートし、序盤はやや買い戻しの動きが優勢の展開となりました。東京正午には一時113.66円まで上値を試しましたが、その後ドル買いに一服感が漂うと上値が抑えられ、落ち着いた値動きとなりました。欧州市場では材料に乏しい中、ドル円は軟調地合いを維持する形で始値水準まで下押し、連れてクロス円も全般上値の重たさが目立ちました。NY市場に入っても大きく流れは変わらず、後にパウエルFRB議長の発言を控える中で円買い・ドル売りが先行、先週末の安値を下抜け113.08円まで下値を広げました。その注目されたパウエルFRB議長の講演でしたが、金融政策や景気見通しへの言及はありませんでした。その後は、10年債利回りの上昇を支えにやや戻し、113.20円で取引を終えました。
-欧米要人発言に注目-
本日のイベントは、独)ZEW景況感調査、欧)ラガルドECB総裁発言、米)生産者物価指数、米)パウエルFRB議長発言、英)ベイリーBOE総裁発言、米)10年債入札が予定されています。
昨日、注目されたパウエルFRB議長の講演では金融政策や景気見通しへの言及は避けられましたが、一方で、クラリダ米FRB副議長が「利上げを検討するのはまだずっと先。利上げのベンチマークは2022年末までに満たされる可能性がある。」との見解を示したことで、ドル相場をやや重たくしたとの声も聞かれました。本日もパウエルFRB議長をはじめ、ラガルドECB総裁、ベイリーBOE総裁発言が予定されており、主要中銀の金融政策が出揃った今、どのような内容が示されるか注目したいところです。特に、先週BOEの政策金利据え置き決定を受けて急落したポンド、市場の一部からは、BOEの決定はポンドの信頼感を損ねた可能性についても指摘されています。この点、軌道修正を目論んで、英ベイリー総裁からタカ派的な発言が近いうちに出てくる可能性もあるか、今後の発言内容に要注目です。