メインシナリオとサブシナリオ
-前日サマリー-
週明けの東京市場は方向感の欠く展開に。日経平均が小幅安となるなか、ドル円は114.30円を挟んだでもみ合いとなりました。一方で、ユーロ円は日経平均の下落につられ一時132.15円まで下落したものの、ドル円の底堅い動きから132.50円まで持ち直しました。欧米市場では原油先物価格が約7年ぶりの高値を更新するなか、ユーロや豪ドルに買いが集まりユーロ円は132.78円の高値を付けたほか、豪ドル円も84.77円まで上昇しました。また、一部報道で「BOEは年末までに政策金利を0.50%に引き上げる」と伝わったことで、ポンド買いが強まりポンド円は156.97円まで上昇するなどクロス円全般で買い優勢で取引を終えました。
-メインシナリオとサブシナリオ-
本日のイベントは豪RBA議事録公表、ベイリーBOE総裁の発言、米住宅着工件数、デイリー連銀総裁の発言、ボスティック連銀総裁の発言、ウォラーFRB理事の発言が予定されています。米英などコロナ禍から経済が回復軌道にのり徐々にインフレ率が上昇したことで金融引き締めに向かっている一方で、本邦はデフレ下で米英との金利差拡大から円安がトレンドになっています。このまま円安主導となるのが、メインシナリオでドル円は2017年以来の115円台を試すか注目です。強気なメインシナリオに対し、サブシナリオはネガティブ材料を織り込んだ中国恒大集団の債務問題です。中国恒大集団は9月23日、29日、10月11日のドル建て社債の利払いを3回とも履行できず30日間の猶予期間に入ったものの、このまま10月23日までに利払いを行えなかった場合、デフォルト(債務不履行)を宣言する可能性が高まっています。同社の負債総額は約1兆9665億元(約33.4兆円)と中国のGDPの約2%に相当するため、中国経済への影響は大きくどのように波及するか予想がつかないです。過度なリスクオフへの反応から円買い一色になる展開も考えられ、メインシナリオが外れた時のパターンとして押さえておきたいです。