FRB慎重姿勢の見方に一石を投じる結果となるか
-前日サマリー-
東京市場は、前日NY市場からの流れそのままに、ややドル売り優勢でスタートし、本邦勢が本格参入し始める時間帯からはドル買戻しの動きが目立ちました。ただ、連日の上値の重さは拭えず、日経平均株価が伸び悩むなどした影響で、ドル円の買い戻しも限定的でした。一方、市場では中国最大規模の不動産会社、恒大集団の過剰債務問題などへの警戒感からリスクオフの円買いが強まる場面も観測される中、渦中の中国恒大集団による「本土部門は全ての債券取引を16日は停止する」との発表が伝わると同社株が連日の大幅安となりました。つられて、市場心理の悪化から日経平均株価も大きく値を落としたことで、ドル円はクロス円とともに一時109.22円まで下落しました。東京後半も軟調に推移しましたが、ロンドン市場からは一転、リスク警戒の動きが後退し対ユーロなどでドル買いが進んだ影響からドル円は底堅く推移しました。NY市場では、米小売売上高や米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が市場予想を大幅に上回る強い結果となったことで全般ドル買いが先行、一時109.82円まで日通し高値を更新しました。その後は米10年債利回り上昇なども追い風に小幅高、終盤には軟調推移だった米国株の買戻しもフォローとなりドル円は109.73円で取引を終えました。
-FRB慎重姿勢の見方に一石を投じる結果となるか-
本日のイベントは、英小売売上高、欧消費者物価指数(確報値)、米ミシガン大消費者信頼感指数が予定されています。
前営業日は注目の米指標、8月米小売売上高や9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数の予想より良好な結果を受けて全般ドル買いが強まり、特に前者の米小売売上高が予想外の増加に振れるといった結果は市場にポジティブなインパクトを与えました。今週の米CPI通過以降のドルの風向きがやや変わった印象もありますが、足元のドル円は軟調な米国株相場の動向などが重しとなり、節目の110円台を回復するまでの勢いは見られず、本日の米ミシガン大消費者信頼感指数に期待したいところです。
昨日発表の9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数は前月の落ち込みから大きく反発、水曜発表のNY連銀製造業景気指数もこれに類似する内容でした。足元の両指数の改善や前回ミシガン大消費者信頼感指数が前月比で比較的大きく落ち込んでいるなどの傾向から、同指標が予想を上回る強い結果となる可能性も十分にありそうです。ドル優勢の地合いが強まり、来週FOMCにおけるFRBの慎重姿勢予想に一石を投じるか、結果に期待したいです。