デルタ株の感染拡大に注視
-前日サマリー-
東京市場でのドル円は109.71円でスタート。5・10日(ゴトー日)ということもあり、東京仲値までは底堅い動きを見せていたが、仲値後は上値が重くなり、時間外の米長期金利が上昇したことを背景に109.90円まで上昇しました。ロンドン市場に入るとドル円は底堅い動きを見せ、米長期金利の上昇も相場の支えとなり一時109.99円まで上値を伸ばしましたが、節目の110.00円手前で上値を抑えられると、対欧州通貨などでドル売りが強まった影響から一時は109.80円台まで下落しました。ニューヨーク時間になると一度反発を見せましたがその後はもみ合い、米長期金利の上昇で再び109.95円まで買われるも、伸び悩み109.89円で取引を終えました。
-経済回復の裏でデルタ株への不安-
本日のイベントは国内企業物価指数、米月次財政収支が予定されています。本日は相場を動意付けるイベントが少なく市場では米景気回復が期待されている一方で、デルタ株の感染拡大で回復が鈍化するのではと神経質な展開になっており感染拡大がドルの売り材料となりそうです。一方ドル買い材料としてはバイデン政権が政府機関や一部大手企業の従業員に対して、ワクチン接種義務の方針を打ち出しており、デルタ株の感染の影響は限定的になりドル買いを促すとの見方があります。また、バイデン政権が中国との貿易に関して調査することについて中国側が牽制してきた場合、トランプ大統領時代の貿易戦争が想起されリスクオフになるため、警戒感を持っておきたいです。