注目は英GDP
-前日サマリー-
東京市場では、7月米雇用統計通過からのドル高基調は揺るがず、ドル円は早々に昨日高値を抜けてじり高に110.67円付近まで上値を試す展開となりました。日経平均株価が一時250円超の上昇を見せるなど力強く推移したことで全般円売り圧力が強まりドル買いを促しました。欧州市場でも米10年債利回りの上昇を支えとしたドル買いが進み、ドル円は110.78円とおよそ1か月ぶりの高値水準をつけましたが、上昇一服後は米消費者物価指数の発表を控え慎重な値動きとなりました。NY市場では、発表された米消費者物価指数のCPIコア指数が前月比で市場予想を下回ったことを受けてドル円は110.67円から110.43円まで下落、直後に米10年債利回りも低下したことに連れて110.39円付近まで弱含む展開となりました。その後も10年債入札が堅調な結果で債券買いにつながったことで米10年債利回りが低下に転じると、ドル円は110.30円付近まで下押しました。ただ前日安値の110.27円付近がサポートとして意識されると下げ止まり、その後やや持ち直しましたが110.42円で取引を終え、6日ぶりの反落となりました。また、米カンザスシティ連銀総裁の「テーパリングする時が来た」との発言やダラス連銀総裁のテーパリング支持の発言も伝わりましたが、市場の反応は限定的でした。
-注目は英GDP-
本日のイベントは、英GDP/四半期GDP、トルコ中銀政策金利、米新規失業保険申請件数、米30年債入札、メキシコ中銀政策金利が予定されています。
注目は英GDPで6月月次と第2四半期(4-6月期)のGDP(国内総生産)が発表されます。6月GDPの予測は前月比0.8%上昇ながら市場では予想より下振れるとの見方も一部あり、ある程度織り込まれている印象です。その為、仮に予想を上回る強い結果となれば、BOE(英中央銀行)の出口戦略や来年上半期の利上げ開始への期待感を押し上げる材料となり、ポンド優勢のシナリオへとつながりそうです。足元のポンドは対ドルでは軟調ながらも対ユーロでは堅調に推移しており、ユーロポンドは昨年2月末以来となるユーロ安・ポンド高の水準です。背景として新型コロナウイルス・デルタ株の感染再拡大が世界的に懸念されているものの英国では一服、7月下旬には制限措置が全面的に解除となっていることから景気回復が期待されています。それに伴ってBOEの量的緩和終了への期待も増しているといった点が主にポンドを支えているとみられます。今回の指標を通過してポンドの地合いに変化は出るか、結果に注目となります。