重要イベントを通過したドル円は、ここから今年高値を抜けていくか注目
-前日サマリー-
先週末の東京市場では、日銀政策決定会合と黒田日銀総裁会見が予想通り金融緩和継続スタンスだったことを受けてドル円は110.00円近辺まで下落しました。欧州市場からニューヨーク市場にかけては、ブラード・セントルイス連銀が「2022年にも最初の利上げをするだろう」と発言したことが嫌気され市場はリスクオフムード、株式市場の大幅下落と米国債のイールドカーブフラット化も意識されて、ドル円は110.40円から110.05円まで大きく下落、リスクオフムードが優勢のままドル円は110.20円で取引を終えました。
-重要イベントを通過したドル円は、ここから今年高値を抜けていくか注目-
本日のイベントは、豪小売売上高、欧ガラルドECB総裁発言が予定されています。
先週は日米の中銀会合の結果を待つ形で、ドル円は今年3月末高値水準111円のレジスタンスと今週の節目の110円をサポートとしたレンジをダイナミックに動きました。市場参加者はFRBの方針転換を受けて、2023年の利上げを見込んだポートフォリオのリバランスや運用戦略の見直しに本格的に動くことが予想されます。先週末の債券市場での2023年ごろから満期を迎える債券価格急落の動きや、株式市場の下落の動きを見る限り、市場参加者の持ち高整理の動きは徐々に開始されたと考えられます。新型コロナウイルスによるパンデミック対応としてFRBが行ってきた大規模なドル供給は世界的な資産価格の上昇をもたらしましたが、今後米国への資金還流の動きが出てくる可能性があり、日本の金融緩和継続が確認できた今週からのドル円は、本格的にドルが買われる動きとなるのか注目して取引に挑みたいです。