FXレポート

雇用統計の事後検証

-前日サマリー-
昨日のドル円は大きな材料もなかったことから先週末の雇用統計の結果を消化しながらの108円台後半での小幅な値動きとなりました。ポンド円では、イギリスのロックダウン解禁とスコットランド議会選挙の結果から直近の高値を更新し、154.02円まで上昇しました。スコットランド議会選挙の結果は、独立派のスコットランド民族党(SNP)が勝利したものの過半数を獲得できず、独立を問う住民投票が行われる蓋然性が減少したことを市場が好感した形です。


-雇用統計の事後検証-
 先週末に発表された雇用統計は市場コンセンサスを大きく下回る予想外の結果でした。市場はそのショッキングな結果の原因を手厚い(手厚すぎた)失業手当が原因と考えています。失業手当は連邦政府の週300ドルに加え、州によっては週600ドル近く給付される州もあります。そうなれば失業手当だけで月3600ドル近く支給される計算となり、"あえて働かない選択肢"を選ぶ人が増えているという推測です。実際、バイデン米大統領もこの"あえて働かない選択肢"に対して不満を示しており、場合によっては失業手当の削減を検討するとしました。この状況は、雇用統計の結果が芳しくなかった際に一般的に言われる米経済の弱体化、ではなく労働市場のミスマッチが発生しているということができます。求人数に対して雇用者数が追い付いていない現状は経済再開の鈍化を表してはいますが、米経済の弱体化とはまた異なった意味である点に注意したいです。
 金融政策の面では市場は当面緩和スタンスを維持するとみられています。テーパリングに関しても雇用統計の安定した結果が必要となるため今回の結果を受けて遠のいたといえるでしょう。
 今週は多数のFOMCメンバーの発言が予定されています。本日のブレイナードFRB理事をはじめとして各FRB理事・連銀総裁が今回の雇用統計をどのように受け止めているかをしっかりキャッチし、FRBの今後の金融政策を占う糧としたいです。

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