今回のFOMCでテーパリングの示唆はない?
-前日サマリー-
東京市場のドル円は、ドル買い優勢で始まり26日高値108.19円を上抜けて108.38円まで上昇しました。その後の日銀金融政策決定会合では金融政策の現状維持を発表したと共に展望で2021年度や2022年度のGDP見通しを前回から引き上げる結果となりました。結果公表後は一時108.16円まで下押しましたが、108.35円付近まで戻りました。NY市場では、4月米消費者信頼感指数がパンデミックが始まる直前の20年2月以来の水準に達したことに加え、米10年債利回りが1.62%台まで上昇したことを受けて円売り・ドル買いが加速、108.77円と高値を付けた後108.75円で取引を終えました。
-今回のFOMCでテーパリングの示唆はない?-
本日のイベントは豪第1四半期消費者物価指数、欧ラガルドECB総裁発言、米FOMC政策金利と米パウエルFRB議長会見となり材料豊富な一日となります。今回のFOMCでは現状の金融緩和策の維持が予想されていますが、テーパリング(資産購入の段階的縮小)の時期に関する発言・公表には注目が集まります。先週には隣国カナダでBOCが主要国の中銀の中で初めてテーパリングを決定したばかりです。また前日の米消費者信頼感指数に加えて、今週末発表予定である米第1四半期GDPと3月個人消費支出(PCE)価格指数の事前予想値が米国の力強い景気回復を誇示していることから、テーパリングへの期待が高まります。しかしテーパー・タントラムを避けるべくFRBは早くとも6月のFOMCから動き始めるとの一部見方が多く、今回はテーパリングの示唆はしないのではないかと考えます。仮に今回のFOMCで緩和縮小を示唆しなければ一時的にドル安になるとの見方ができますので、パウエルFRB議長の会見での質疑応答と合わせて取引時には十分注意が必要です。