再度EUとひと悶着あるか
-前日サマリー-
先週金曜の東京市場前半では、週末の実質ゴトー日(5・10日)となったために仲値に向けてのドル買いで一時的に109.10円まで上昇したものの、日銀政策決定会合を控えて108.96円台まで戻りました。その後の日銀政策決定会合では「長期金利の変動幅を±0.2%から±0.25%程度に拡大すること」や「ETF買い入れで原則6兆円の目標を削除すること」などを決定しました。事前に報道されていた内容だったためにサプライズではなかったものの、ドル円は瞬間的に109.12円まで上がった後に日経平均株価の600円近くの下落につられて108.86円まで押し戻されました。欧州市場では米10年債利回りが低下した為に、ドルが売られて18日安値の108.63円を下抜け一時108.61円となりましたが、利回りが上昇に転じたことでドル買いが優勢となり109円前後に持ち直して推移しました。NY市場でもこのドル買いの流れは続きましたが米株安などが進み円買いが優勢に、108円後半での上下を繰り返して108.90円で取引を終えました。
-再度EUとひと悶着あるか-
本日のイベントは22時から行われるパウエルFRB議長の講演となります。先週のFOMCでは追及の無かった補完的レバレッジ比率(SLR)の今後の方針について、FRBは先週末にSLRの緩和措置を延長せず、3月31日で終了すると発表しましたが、パウエルFRB議長からの言及には注目が集まります。またイギリスがEU離脱に伴う同国本土と同国領北アイルランド間の食品などの物流への規制導入を一方的に先送りしたことに対して、EUは国際条約「離脱協定」に違反するとして法的措置に着手したとの一部報道がありました。やはり完全離脱をして、EUとの貿易に今まではなかった規制などが生じてイギリスの経済にはじわじわとくる悪影響が浮き彫りとなったために、今後のポンドの上値にプレッシャーをかける可能性も考えられるために関連報道には十分に警戒しつつ取引したいです。