EU首脳会議に注目か
-前日サマリー-
東京市場ではジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長の会食が行われ、「非常に大きな溝が両サイドに残っている」「13日まで交渉を継続する」との内容が伝わると、合意期待がはく落したことでポンド安が強まり139.61円から138.82円まで急ピッチに下落しました。欧州市場では、 ECBが政策金利を据え置きしパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を2022年3月まで延長し5000億ユーロ拡大しました。マーケットは、ほぼ予想通りの結果となり影響は限定的に。NY市場では目立った取引材料がなかったものの、英EUの貿易協定への悲観的な見方からポンド売りが優勢となりポンド円は138.387円まで下値を広げ取引を終えました。
-米指標も一息-
本日のイベントはBOE金融安定報告書公表、米生産者物価指数、ミシガン大消費者信頼感指数(速報値)、EU首脳会議が予定されています。昨日も米経済指標の発表がありましたが、ドル円への影響は限定的で株式市場と英EUの動向をうかがった取引になりそうです。英EUの貿易協議は13日までに交渉期限が伸びたことで合意期待が低下しポンド安に振れています。双方から「合意なき離脱」に備えるなどの報道も出ており、結論が出るまでは戻り売りを中心に取引を考えたいです。また、EU首脳会議では2兆2000億ドル(約230兆円)規模の中期予算および新型コロナウイルスに対応した景気刺激策が承認されました。これによって欧州通貨のなかでユーロは下支えとなる材料を得たことでユーロ円は127円を試す展開になるか注目です。一方で、今回の首脳会議ではブレグジットについては議論しないと事前案内がありましたが、中期予算が早期に承認されたことで議題に挙がるようであれば内容を見極めて取引にのぞみたいです。